君の音

私は彼のピアノの音が好きだった


どこまでも広い青空のような


どこまでも澄んだ海のような


どこまでも落ち着きのある大地のような


そんな彼のピアノの音が好きだった


彼の伴奏に私の声が重なり響く

それが楽しくて私は彼の伴奏のために何度も練習した

だけど現実は厳しかった

彼の前で私は事故にあった

私は一命は取り留めた

でも、二度と歌えなくなった


それでも、良かったと思った

彼が無事で彼のピアノの音を聞けるから


私は彼に手紙を書いた


『君がひかれなくてよかった

君のピアノの音が大好きだから

でもそれ以上に

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