忌み子達の祝杯

如月逸佳

序章

まこと、本当に出て行くのか。」

「ああ、勿論だとも。黒木家の家業を解せず、継ぐ意思を持たぬ息子は不要だと言ったのはアンタの方だろ。」

「しかし、お前には才能がある。現に"朱華はねず"を使役できるのはお前だけだ。」

「そりゃそうだろうよ。彼奴もアンタ達のやり方には賛成していない。アンタ達はじいちゃんの積み上げてきたものを悪用し、を財源としか見ていないただの金の亡者だ。」

「随分と言いたい放題だな。まァ良いだろう。まだ、弟のみのるもいる。彼奴の方が物分りは良い。俺等を何かにつけて否定するどこかの愚か者と違ってな。」

「...言いたい事はそれで全部か?じゃあな。母さんによろしく伝えておいてくれ。」

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