この世界の人々が

幸野曇

この世界の人々が

 朝、教室に着いて。


 驚いた。


 何も知らなかった。


 私は、人の心の中の感情がなんとなく分かるはずなのに。


 誰もが私を気味悪がった中でただ一人、


 手を差し伸べてくれた人が。


 大好きな人が。


 ____死んだ、なんて。



 放課後、職員室に呼ばれた。


 担任の先生に。


 彼は、手紙だとだけ言って。


 とっとと帰れ、と。



 家に帰った。


 先生から受け取った手紙の封を開いて。


 中の紙を開こうとすると、カサカサと鳴る。


 その音が鳴り終えて。


 私は、文字を追い始めたのだった。




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