登場人物 / 設定

[ 設 定 ]


初冠ういかっぷ れい

逆行者。出身は札幌市発寒区。24歳。

明治・北海道紋別へと2度も追放されるが、平然と生還してくる様はまさに不死鳥。ついでに追放先を道内第5位の都市へ成長させている。日露戦争は開戦以来、半島から北満州、沿海州にかけてほぼ全域を転戦している。ウラジオストク防衛戦では代行とはいえ、ついに一個軍の司令官へと任命される。

陸軍大佐、翠北金鵄章叙列。『桜花』総長。妥協アウスグライヒ所属。

好きなものは電車。将来はない。


咲来さっくる 裲花りょうか

元アイヌの若娘。出身は樺太長浜郡。23歳。

氷雪の妖精と呼ばれた少女は、透き通るような銀髪の若娘へと成長した。初冠とほぼ変わらぬ実力を保つばかりか、戦闘能力も高い。北方戦役以来初冠とは、自他ともに「二重帝国」と認める歴戦のペアを組んでおり総軍内部では「不滅の双星」とも呼ばれている。一週間に及ぶ監禁暴行を受けながらも全治1ヶ月という診断結果には軍医も驚くばかり。

陸軍少佐。『桜花』次長。妥協アウスグライヒ所属。


伊地知いぢち 幸介こうすけ

初冠と咲来ら「二重帝国」の上官。出身は鹿児島市。51歳。

作戦立案能力は高く、洞察力も群を抜く。「二重帝国」の二人とは付き合いも長く、第一の理解者であり続ける歴戦の将校。

陸軍中将、功三級金鵄。満州総軍参謀。妥協アウスグライヒ所属。


有栖川宮ありすかわのみや 茶路ちゃろ

有栖川宮家当主の長女。出身は東京市麻布区。28歳。

卓越した知性を誇る皇女。噂には家柄と策略を武器にして大蔵省へ絶大な権力を築き上げているらしい。妥協アウスグライヒ所属。


秋山あきやま 真之さねゆき

誰もが知る秋山兄弟の頭のおかしい方。出身は小田原市。36歳。

バルチック艦隊の接近に際し仕事が積み上がり、最近は珍しく働き詰めているらしい。水雷戦隊並びに潜水戦隊の整備に一から尽力しており、これらを取りまとめる「皇國第四艦隊」の司令も務める。

海軍少将、妥協アウスグライヒ所属。


別海べっかい 睦葉むつは

北方戦役以来の古参になる生娘。出身は紋別郡丸瀬布。22歳。

伍長時代に出生した樺太から、「二重帝国」の下で紫禁城、バルバロッサ、松花江と連戦する女兵。義和団事件にも歩兵小隊を率いて参戦しており、従軍経験は初冠より実は多い。

陸軍大尉、『桜花』突撃直衛中隊の中隊長。


晩生内おそきない 白夜びゃくや

紋別村の娘であり、最年少での北方戦役従軍者。22歳。

普段は元気いっぱい少女だが、仕事の時は口調からして変わる。この年齢ながらバルバロッサでは野戦任官として一個歩兵大隊を率いており、指揮官としては非常に有能であることを伺わせる。未だ謎多き娘。

陸軍准尉、翠北金鵄章叙列。『桜花』旗手。


雨煙別うえんべつ 龍鯉りゅうり

紋別村の青年であり、北鎮軍人。22歳。

口数が少なく、表情はどこか憂さげ。先日壮大なフラグを立ててしまったばかりで生き残れるか不安である。晩生内とは幼馴染。

陸軍中尉、『桜花』戦務参謀。


浦幌うらほろ かえで

紋別村の村娘。19歳。

北方での4カ年を通じて「二重帝国」に懐き、ふたりと、戦後に紋別の地へ戻ると約束を交わした少女。


磯城いそしろ 盛太せいた

逆行者。出身は東京都荏原区。24歳。

本作の『主人公』。実は義和団事件において北京へ出兵、火炎放射器を用いた焼撃大隊による鎮圧を断行しているため完全に軍隊の指揮経験がないというわけでもなかったが、同じ平成からの逆行者を敵視し、主人公の立場に固執するあまり、ウラジオストク戦で大失態を犯してしまう。

陸軍中佐、終身華族、枢密院議員。

われらが維新の大英傑は今や、地下病棟にて幽閉されるばかり。


大山おおやま いわお

満州総軍の総司令。准尉時代の初冠とは、山陽道戦争のとき岡山吉井川の渡河戦にて怒鳴り合ったが、14年を経て和解した。陸軍大将。


児玉こだま 源太郎げんたろう

満州総軍の参謀長。戦争をこよなく愛する狂気の代名詞。陸軍中将。


乃木のぎ 希典まれすけ

第3軍司令。言わずと知れた名将。陸軍大将。


黒木くろき 為楨ためもと

旧沿海州総軍司令。陸軍大将。名将だった彼は、どうして『英雄』に感化されてしまったのか――。


広瀬ひろせ 武夫たけお

日清戦争後に新設された第一潜水戦隊の司令。潜水艦によるハワイ王室救出作戦を指揮しており、その戦歴から「海の狼」と呼ばれている。


鈴木すずき 貫太郎かんたろう

第一水雷戦隊の司令。日清戦争の豊島沖海戦では東郷平八郎の指揮する「浪速」を間一髪で救った。


東郷とうごう 平八郎へいはちろう

皇國を想うが為に、皇國へ刃を向ける『愛国奴』。ここではこれ以上語るまい。




・皇國枢密院

平成から召喚された逆行者と、重鎮たちが中心となって歴史改変を進める組織。

明二四年動乱を経るも形成を建て直し、日清戦争、義和団事件と連勝を重ね、今時戦争に至る。議員の一角を占める磯城の失態にも余裕を見せるが、果たして――。


『皇國』

北海道・本州・四国・九州・台湾からなる主要5島と付属島嶼、南沙諸島、ナトゥナ諸島を統治する、「日本皇國憲法」を基幹とした立憲君主国。福州南台島・崇明島を99年間租借、遼東半島還付協定で長江南岸に強大な勢力圏を確立した。

ハーバー・ボッシュ法を用いた世界初の緑の革命が進行中で、食糧管理制度も相まって人口爆発の真っ只中にあり、都市の過密が問題となっている。そこへ降って湧いた戦争による莫大な軍需は余剰人口を工場と軍隊へ吸い込み、ご都合主義的な国歌総動員術を完成させた。ナトゥナ諸島に石油を産出。


今時戦争体制は以下の通り。


【東京大本営】

◎枢密院戦争指導部

 ・総合本部

 ・統合戦略局

 ・軍備計画局

 ・軍政当局

 ・大本営報道部

◎参謀本部

 ・中央部

  ┗ 総務課(人事・経理・文書)

  ┗ 第1部(作戦・防衛・兵站)

  ┗ 第2部(情報)

  ┗ 第3部(運輸・通信)

  ┗ 第4部(編成・動員)

 ・鉄道部(補給・物資集積)

 ・管理部

 ・研究部

◎軍令部

 ・本局

  ┗ 第1部(作戦・演習)

  ┗ 第2部(艦船整備・港湾・補給)

  ┗ 第3部(情報計画・海外情報)

  ┗ 第4部(通信・暗号)

 ・逓信部

 ・戦力練成部

 ・戦備考査部

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