大反衝〈グレート・カウンター〉
「…というわけで、おそらく夜間強襲が決行される次期反攻で敵をどれだけ削れるかが、この
「なるほどな」
伊地知が考え込む。
「以降の冬季、装甲戦力が使えないとなると…ここで出し惜しむ理由はないな」
「ええ。最初から全力投入で行きましょう」
「しかし…ここで装甲戦力を溶かし切ってしまうと、"春の目覚め"分が――」
「…"春の目覚め"?」
「っ、いやなんでもない、気にするな。次期防衛で敵戦力を可能な限り撃滅するという方針には賛成だが、冬明けも見据えて出来る限り装甲戦力の消耗は避けたい」
「確かにそうですよね…、うーん」
僕は松花江ラインの地図を引っ張り出してくる。
「…装甲戦力を、どう使うかが鍵になりますね」
夜という戦場で、どこまで敵の波状攻撃を分断、撃滅出来るか。
皇國重砲陣 0m
――――― 1000m
トーチカ群
_____ 5000m
松花江
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 6000m
河 原
⇈ ⇈ ⇈
露 軍 陣 地 10000m
「敵はこの9日で20万以上の損害を出しつつ10000mラインにまで前進。松花江まであと河原を4000mほど前進しなければなりません」
「前までのようにここで重砲迎撃をやるか?」
「…それをやるには、我々はこの一週間で砲弾を使いすぎました」
「そんなに…在庫が心許ないと?」
「内地の製造ラインはもうフル稼働ですよ」
国内の工業地帯は第一次産業革命をこれでもかと充実させたモノで、砲弾や銃砲といった重工業設備が未だに脆弱なのである。
「備蓄はあります。この戦争のために何年も全力備蓄してきましたから。…しかし、補給線の問題で」
十河が涙ながらに話してくれたが、砲弾は嵩張るし重いし、どれだけ重連でピストン輸送をやっても1日6000発が限界なのである。
対して、この1週間でロシア軍に撃ち込まれた砲弾は砲弾数65800発、総鉄量にして1581.32トン。
「史実・旅順攻囲戦の総鉄量は4000トン。松花江の数日で、旅順の6か月分の4割もの鉄を撃ちこんだ計算になるんです。」
この1週間の砲弾の一気消耗は、敵軍22万の撃滅という大戦果を齎した代わりに、少なくとも週内は補填不能な砲弾不足を生み出してしまった。
そこに追い打ちを掛けたのが極寒による鉄道設備の不具合で、数日に渡って連発するトラブルとそれによる列車運休、悪ければ1月一杯は前衛集積地に砲弾が行き渡らないだろう。
「補給線の問題で重砲は満足に使えません」
「…なんだそれは。それではロシア軍の進撃を許してしまうではないか」
「そうなんですよね。意外にも…あと1週間ロシア軍の肉弾突撃が続いていれば、重砲防衛線は完全に破られていたでしょう」
現在、ロシア軍は計画立て直しのために攻勢を中止したが、このまま彼らがもうあと一週間20万の死屍を積み上げていれば、松花江渡河に至っただろう。
伊地知は溜息をつく。
「まぁ…その仮定だとしても、渡河の時点で露軍残存は28万だ。渡河先の皇國側河原で機銃トーチカにやられ――」
おもむろに言葉が切られた。
どうしたのかと僕は地図から視線を上げると、伊地知が目を見開いていた。
「……そうだ、機銃トーチカだ。」
「はい…?」
「三二年式実包の在庫はあるんだろうな?」
「は、はい。銃弾は全く使っていませんから十二分に」
この一週間は長距離砲撃戦が主体であり、小口径銃弾の出番はなかったからな。
「しかしそれがどうしたんです…?」
「砲弾がなければ銃弾を使えばよい。そうだろう?」
「待ってください…それって」
「ああ。敵軍をこちら側の河原に引き摺りこむ。」
敵軍を上陸させて、皇國側河原を決戦地とするということだろうか。
「敵は対岸の松花江から渡河してくるわけだな。敵が対岸にいるうちの重砲迎撃が不可能ならば、一定数を渡らせる。」
水際防御を捨て、硫黄島戦術でやろうというわけか。
伊地知が地図に駒を載せる。
「…20万だな。20万の渡河を確認したのち、空中から敵軍の渡舟と渡河設備を撃破する」
「飛行船で、ってことですか?しかし…爆弾では目標物が小さすぎません?渡舟を一つ一つ狙い撃つには空対地焼夷弾は大きすぎます」
「機銃を積載する」
「……っ!?」
伊地知は資料を出して捲る。
三四式機関銃
装弾数 70発
全長 1,220mm
重量 25.6kg
発射速度 500発/分
有効射程 1,700m
「この重量だ。一隻あたり3基は積むことが出来よう。こいつで――渡舟を捕捉、物資搭載用から兵員輸送用まで全てを木っ端微塵に破壊する。」
この時代の渡河艇は、どこの列強軍隊でも木製小舟。
利根川渡しで使われているような脆弱で中世じみた木舟だ。
6.5mm弾でも、一瞬で粉砕できるだろう。
(まさか…まさか、21世紀の攻撃ヘリを、飛行船でやろうとは…)
空からの対物機関銃掃射をやるというのだ。
それも、明治時代に。
「…とんでもないこと思いつきますね、伊地知閣下。」
「なにせ、これで敵軍の渡河能力を根こそぎ奪うことが出来る。皇國陣地側の河原に残された20万は、撤退も補給もままならず孤立だ。」
「捕捉はどうします、夜間になる可能性が高いですけど」
「海軍から照明弾を持ってくる。なければ…そうだな、本土から打上花火を持ってこよう。士気鼓舞にもなりそうだからな」
「ふふ、いいですね」
すっ、と伊地知が駒を弾く。
「これで――敵軍20万を逆包囲。」
20万を自陣にて逆包囲か。
そんな言葉を、この世界線で聞くことになるとは思わなかった。
「機銃トーチカを使って十字砲火で大打撃を与えつつ、統制の混乱した敵部隊へ」
「――装甲戦力を突入させるということですか」
「ああ。少なくとも敵側の河岸に渡河で送り込むよりは、消耗を抑え込むことができよう」
だろうな。
それも含めての皇國側河岸での包囲戦か。
これを思いつく伊地知はやはり頭がいい。さすがは僕らの上官である。
「総軍参謀部に上奏してくる」
「了解です」
伊地知は立ち上がり、こころなしか足早に部屋をあとにする。
ガチャリ、と閉められた扉。
「……これは、戦史に残るカウンターになるぞ…。」
機甲部隊を適切な場面で最大限有効な投入をする。
ここまで鮮やかな戦術があるだろうか。
これが成功すれば、敵軍の総数は8万にまで減る。
「春」も――見えてくるというわけだ。
嘆息しつつ、僕は視線を松花江へと移す。
「そういえば…、水の流れがすこし悪くなったような……」
ロシア軍の攻勢が中止してから流血は止まり、川に清水が戻ったが。
同時に、水量が少し減ったような気がする。
「……気のせいか。」
気の詰めすぎか。
僕も存外、緊張しているのだろうか。
・・・・・・
・・・・
・・
明治38年1月20日 松花江
天候:吹雪
松花江にブリザードが吹き荒れると、あたり一面が白に染まった。
「こりゃぁ、ホワイトアウトだなぁ……。」
「窓の外、1m先もまともに見れないわね」
まぁ紋別にて何度も見てきた天気だから、今更どうこう慌てるようなものではない。
「…氷点下8度か。」
初冬は比較的温暖だった松花江流域も、2日前から吹雪くブリザードで気温が一気に5度ほど下がり、氷点下10度ラインギリギリへ。
「先週までは日中氷点下なんてことはなかったのにな」
「2月に入ると氷点下20度まで行くみたい。ここから一週間が厳寒期への遷移ね」
白い息を吐く。
やはりここが勝負所か。
「…けど、ここまで吹雪くとマトモに照準付けられなさそうだな」
「それは敵軍も同じよ。ホワイトアウトの中で軍事行動なんてありえないわ」
「言い切れるかそれ…?連中ならやりかねんだろ」
「まず指揮統制が取れないわよ。味方部隊の所在も把握できないでどうやって戦争するのかしら?」
「あー…それは、確かに」
1m前さえ霞むこのひどい猛吹雪からロシア軍の大部隊が突然現れたらどうすりゃいいんだろうと思ったが、その心配は杞憂か。
「なら…敵軍の攻撃が始まるのは、この吹雪が止む頃かな」
「時期的にはそうなんじゃないかしら?そろそろ向こうも準備を終えるはずよ」
裲が素早く扉脇据付の電報装置を指叩き、気象電報を聴く。
「『満州中部、本日夕頃ゟ夜ニカケテ雪止ムベシ』…だってよ。」
「段階的に吹雪が収まるってことか」
「そうなんじゃない?この調子なら視界が開けるのは夜頃ね」
腕時計に目を落とす。
「日没まであと3時間か。
――部隊召集するぞ。出撃準備だ。」
相変わらず、松花江は雪に掻き消されて、見ることは叶わない。
・・・・・・
・・・・
・・
明治38年1月20日19時 松花江
天候:曇 気温:-8℃
「っ、電探に感あり!」
「……本当か」
戦務参謀の雨煙別が小走りで通信員へと駆け寄る。
通信隊を中心とし、その隣に僕らが司令部。これを包括して集団本部。
直衛中隊が騎馬牽引ながらも重迫撃砲を展開しつつ、司令部前衛に布陣。
左右を挟むように特殊歩兵大隊の兵員輸送車が側衛し、前衛先鋒が機甲大隊。
出撃準備はもう完了していた。
「…、総長。戦域第6区、8000mに敵軍。」
覚悟を決めたような顔で雨煙別がこちらに振り向いた。
「規模は?」
「……わかりません」
「あっ、そっか電探の性能だもんな」
こくりと頷く雨煙別。
まぁ仕方ない。僕の開発した電探は初期型も初期型である。
「夜襲を察知できただけでも上出来だ。…裲!」
「もう管制室に繋いだわよ」
「……有能かよ」
「10分しないうちに迎撃警報が出て総員戦闘配置になるでしょうね」
「了解。戦務参謀、旗手は?」
「
「…もう始めたのか、早いな」
流石の即応集団である。一挙一動無駄がない。
ふと、通信車の車輪に目を落とす。
「お、チェーン付け終わってる」
「当たり前ですよ、チェーン付けなきゃこんな雪上まともに走れませんって」
横から響く別の声に、僕は思わず顔を上げた。
「…別海中尉。」
「大尉ですよ、総長殿。」
「っ、昇進したんだっけか、おめでとう」
「今更ですね…」
「すまない。このところ死ぬほど多忙で」
「知ってますよ」
別海大尉は身を翻しつつ、顔をこちらへ向けてウインクする。
「その調子で頑張ってくださいね?」
「こちらの台詞だ、直衛中隊長。本部の護衛は任せたからな」
「ええ。存分にやってみせましょう」
彼女はしっかりとした足取りで突撃直衛中隊へと戻っていく。
あの分なら心配は要らなかろう。
隣でツー、ツツー、と電信音が響く。
「藜。警報発令よ」
裲が電報を叩く指を置いてそう言った。
「来たか?」
「ええ。指揮本部命令――…中央即応集団は速やかに戦域第6区へ移動せよ、って」
「わかった、自騎乗るぞ」
「ん」
裲と僕、そして雨煙別は司令部の馬列へと掛け戻る。
中央即応集団とて、全てが機械化されているわけじゃない。
主力の特殊歩兵大隊と機甲大隊、偵察部隊や工兵は機械化されているものの、後方から重迫撃砲で援護する突撃直衛中隊や司令部は未だ騎馬だ。
ひしひしと皇國の貧乏さが伝わってくるが仕方ない。完全無機械の相手さんよりかはマシだ。
「――迎撃発令!」
自騎に跨りつつ叫ぶ。
「先鋒の機甲大隊から発進、戦域第6区へ急行せよ!」
本部馬列から進発喇叭が鳴り響く。
それに突き動かされるように、周囲から発動機が一気にブロロロロと唸り、排気口から白煙を吐き立てた。
先鋒からチェーンが雪を掻き立て踏み締める音が聞こえたかと思えば、車列がゆっくりと動き出す。
鉄槌の初陣だ。
夜闇に紛れて、皇國側河岸を戦域6区を目指し移動する幾多の影。
松花江ラインは前面から見れば普段となんら変わらず、夜襲に気づいている様子はなにひとつ伺わせない。
しかし、その内部では迅速に迎撃体制が構築されていく。
「そろそろロシア軍も、先鋒の数千くらいがこちら側の河岸にたどり着いた頃か」
「渡河に要する時間的に考えれば…そのくらいじゃないかしら」
「だよな。なら…まだ機銃トーチカ線に辿り着くまで2時間程度かかるかな」
トーチカによる十字砲火の迎撃が始まってから、想定外の完全迎撃で混乱するロシア軍大部隊の側面へ鉄槌を叩き込むのが僕らの仕事。
肝心のロシア軍はちょうど今頃、木舟を並べて部隊を一つ一つ順番に渡河させつつ、橋頭堡を造成している段階だろう。
ならば僕らの出番はまだ後だな。
「6区へは?」
「間もなく6区機銃線の後方に到着よ」
「照明弾はどうだって?」
「まだでしょ、わざわざ奇襲に気づいてること誇示する?」
「だよな。」
でも連中驚くだろうな。
20万ほどを無傷で渡河させて、完全に夜襲に成功したと思ったら――照明弾で照らされる。
間髪おかず、前もって展開されていた機銃トーチカから降り注ぐ銃弾の雨。
伊地知の言う通りに直掩航空隊には4隻に機銃を積ませ、攻撃ヘリ戦法で同時多発的に渡舟を一斉破壊。撤退路粉砕。
「これは…、立派な戦争芸術になるぞ…」
そうほくそ笑んだ瞬間。
ガガガガガッ!
「!?」
前方600mほどの機銃トーチカが、突如発砲した。
「っ、早まったかせっかちめ…!」
史実の黒溝台会戦でも起きている。
遥か射程外にも関わらず、恐怖にやられて射撃してしまう事故。
機銃陣地の位置を自ら真っ先に晒してしまう自滅行為であり、危険甚だしいが、戦場じゃ必ず一基はそういうことをやらかす銃座がある。
「敵はまだ橋頭堡を築いてる時間だぞ、有効射程外から撃ってどうする…」
まぁ所詮は一基だ。
中止命令がすぐ伝達されるだろうし、一基ごときじゃ敵軍も完全に気づかれているとは思うまい。
面倒なことだと溜息をついた。
刹那。
キィッ――カカカカカカ!
ダダッ、ダダダダダ!!
ズガガガガガガッ!!
次々とトーチカが銃弾を夜闇へ吐き出し始める。
「…は??」
一瞬、愕然と呟くが、裲に袖を引かれて我に返る。
「クソ、集団恐怖症にでもなったか、重大な命令違反だぞ!」
大焦りで本部に連絡を取ろうとするが、裲がもっと強く袖を引く。
「なんだよっ…!?」
「っ、あそこ!発砲炎で照らされてるとこ見なさい!!」
「はぁ!?」
視線をトーチカに向け、目を凝らすと――
「…ロシア兵?」
弾幕に斃れながらも迫る、見慣れたその軍服。
慌てて懐中時計を確認するが、まだ主力が揚陸途中の時間。
それを終えたとしても、そこから機銃線に至るまで4km、行軍1時間の行程だ。
「まさか、連中がここに辿り着くにはまだ早すぎる!」
トーチカは次々と弾幕を展開、予定より数時間早く鉄の烈風が荒ぶ。
「くっ、突撃直衛、照明弾射撃!」
「え?でもあんた――!」
「見たら分かる異常事態だぞ!防衛行動だ、司令部の指示を待ってられるか!」
速やかに重迫撃砲が展開、うち1基が照明弾を夜闇に放つ。
ォォオォ――…カッ!
放物線状に打ち上がった弾は――皇國花火の技術を応用した燃焼回路で、夜の松花江をまるで昼のように照らし上げる。
そこに浮かび上がった前線の全景。
「―――…な、」
僕は言葉を失った。
取り払われた夜闇のヴェール。
ついに露わになった姿。
前方一面を埋め尽くす、ロシア軍の大部隊。
「な…、に――…が」
優に数万はいる。
嘘だろ?
どうして。
この数を渡河させるだけでも3時間は必要だ。
それがなぜ、電探による対岸での捕捉からたった1時間でここに?
ロシア人は水の上を歩けるのか?
「そ、総長…!」
焦燥に満ちた声が雨煙別から届く。
「っ、どうした!」
「飛行船から……観測報告」
「内容は!何が起こってるって!?」
彼らしくない震えた声が、耳に通る。
「松花江が―――凍っています…。」
「……なん、だと。」
「この2日間の吹雪で、上流で氷結が始まっていた松花江が…完全凍結」
雨煙別の言葉に、僕は露軍軍列の遥か後方へ目を凝らす。
そこに川幅1kmを誇る大河はなかった。
松花江は、吹き荒れたブリザードの中に氷雪の地面へ変わってしまったのだ。
「――…敵は氷上を徒歩進撃、すでに5万人の戦力が機銃防衛線へ殺到…。」
愕然と腕を垂らす。
あまりの衝撃に、声も出ない。
「…やらかし、た」
僕は馬鹿だ。
いいや、おマヌケと言うほうが正確か。
平成で、冬の石狩川が凍結するのを何度も見てきた。
川は凍るものだと、僕は知っていたのだ。――にも、かかわらず。
川幅1km以上という河川防衛陣としてこれ以上ない完璧な数字に酔いしれ、舞い上がり、「流れも強いしまさか凍るわけもあるまい」と無意識のうちに最悪の可能性を排除した。僕は安心して酔っていたかったのだ。
こうなる前に、気づくことは十分できたはずだった。
皇國陸軍も、冬季戦の経験がなさすぎた。
20万逆包囲の夢を見て「可能な限り引きつける」ことに拘り、敵軍が徒歩で氷上を渡っている間にも「必死に渡河準備中である」と信じ込んで、照明弾を一発も撃たなかった。
夜闇に奇襲的な迎撃を展開しようとして、5万という敵軍が渡河してからこの機銃線へ到達するまで一切、事態に気づくことが出来なかった。
「自信満々で奇襲するつもりで、モロに奇襲を受けたのか…。」
ああ、間抜け。
なんたる暗愚。
「これぞ、完璧な…『
そんな自嘲を漏らすことしか出来なくて。
僕は、僕らは、皇國陸軍は――…、
満州の冬を、敵軍を、…―― "戦争"を、舐めすぎた。
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