私だけが覚えてる。

久しぶりに来た夏の夜のお話。

私はシキの代わりに生きている。

シキが私の事を守ってくれた、死んでもなお、守ってくれたことをおもいだした。

シキが居なかったら私は死んでいたのかもしれない。

傷を手当てして、お化けたちから守ってくれた。

私だけが覚えているようだった。

皆、シキの事は覚えていない・・・。

違う、皆覚えてるけど覚えていないふりをしている。

シキは嫌われてたから・・・。

私は友達が居ないかった、知らない人たちが怖かった。

そんな私に手を差し伸べていってくれた。

最初の一言が「私と一緒ね。」って言うのはあれだったけど、今から思えばシキは最大限の気づかいの言葉だったんだね。

初めてできた、私の友達。

最初で最後の大親友。

私が惑わされて、死のうとしてた時もシキは助けてくれたよね。

死んでも、殺されても、生きていても、どんな時も、貴女は私を助けてくれたよね。

でも、みんなみんな貴女を忘れてしまった。

私は一人だけど、死んでも忘れないよ。

貴女みたいにね。









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私の事は忘れても良いよ。

ユミは何で私の事なんかを覚えてるの・・・。

やめてよ・・・、貴女にまた会いたくなるから。

あのお化けたちは、私の呪いだから。

私があなたといたいって思った呪いだから。

だから、私は貴女のことをおもってはいけないし、ユミも私を忘れなければいけないのに・・・。

何でよ・・・、何でこんなに・・・、残酷なのよ・・・。

神様、見てるなら答えなさいよ。

私をこんなに虐めて楽しい?

いえ・・・、ユミを虐めて楽しいの?

答えてみなさいよ、私を殺して存在だけにして、ユミを虐めて・・・。

神様って・・・、最低ね・・・。



















『この物語は僕の叶えたい物語。』

『意味が分からないだろうけど、僕にとってはこの物語はハッピーエンドの物語だ。』

『現実とは皮肉で残酷で不条理だけど、強く生きてほしい。』

『こんな世界な物語を作った神様には言えないけどね。』

『じゃぁね。』

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心理鏡と直結するノート 暗闇研究所 @densibuhin

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