外部の人と内部の人の話し方
「今日はあなたは何をしたの?」
私は何もない空間に話しかけた。
ここだけを見たら、変な奴認定を食らいそうだ。
とかなんとか、適当な事に思考を巡らしていたら目の前の白いノートに何かが浮かび上がってきた。
「・・・、なにもしてないの?ほんとに?」
真っ白なノートには「なにもしていない」って書いてあったけど、嘘だ。
何もしてないなら、私に反応しない時が多すぎる気がする。
「・・・、趣味ぐらいはあるでしょ?」
私が聞いてみたら、答えてくれた。
ノートに「一応あるけど、最近はなにもしてない」って浮かび上がってきた。
「本気で言ってるの・・・?それ?」
瞬時に「うん」と浮かんできた。
うむむ、何もしてないなんて暇じゃないのかな?
「ひまじゃないの?」
思い切って聞いてみた。
ノートの方は少し悩んでいるように、ぼやーと字が浮かんでは消え、また浮かんだり消えたりを繰り返している。
結局、最終的に浮かんで来た文字は「気づいたら一日が終わってる感じ」だった。
「ぇ...?どういう事?」
よく分からない、気づいたらってどういう意味なの?
私が少し悩んでいる合間に、ノートには文字が浮かんでいた。
ノートには「そのまま」とだけ書かれてあった。
もしかして、疲れてるのかな?
多分、そうなのかな?
分からないけど・・・。
「疲れてるなら、休んだ方が良いよ?」
私はそれしか言えない私が嫌いになりそうだった。
私の暇なときは無駄話をして楽しんだり、私が辛いときは悩みの相談に乗ってくれたりしたのに・・・、私はこんな軽い言葉しか言えない・・・。
ノートには「ごめんね、心配を掛けちゃったかい?」と書いてあった。
なんで、そんなに私の事を心配するの?
自分の事よりも自分の事なの?
・・・、あんたってやさしいよね。
「やさしいね。」
ノートには「?」とだけあった。
鈍いし、鈍感だね・・・。
まぁ、いいや。
ちょっとずつ、解決していきたいな。
『いやぁー、あちらの人と会話できるとは思ってませんでしたよ。』
『まぁ、結局私の頭の中の話って事になっちゃいそうですけどね。』
『物語の人物は生きているが、居ない。』
『不思議ですが、当然の話ですね。』
『じゃぁ、また、ごきげんよう。』
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