第2章 告示日
6月 1日木曜日 生徒自治会会議室 告示日
古城ミフユ
6月1日木曜日。生徒自治会会長選挙の告示日がやってきた。
放課後、私は北校舎2階の連絡通路の前で二人を待っていると肇くんと陽子ちゃんがそれぞれ両側から歩いてやって来た。私達は頷きあうと中央校舎1階にある生徒自治会会議室へと向かった。
肇くんが私に発破をかけて来た。
「結局、立候補者の噂は聞かなかったな。とはいえ立候補受付期間は1週間もあるから、手を挙げる奴が出てくるかも知れないから気は緩めるなよ、古城」
「了解」
肇くん。言われるまでもなく気を引き締めていく所存です。はい。
陽子ちゃんは後ろに手を組みながら私の顔を覗き込んできた。
「ひょっとして冬ちゃん、緊張している?」
「そりゃねえ。学級委員長だってやった事ないのに大それた事しようとしているなあって感覚はあるから」
肇くんは今更か?と呆れ顔。
「古城、そういう学級委員長をやらされてきた親友二人がおまえなら出来るって思うからついて来てるんだから自信を持てよ。ここまで来たらお前なら出来る……っていうか嫌でもやらせるからな」
「そうそう。冬ちゃんファイト!」
二人からの叱咤激励。そして私の望んだ事だ。
「ははは。流石は2人とも容赦ないね。うん。2人の助力があれば出来ると思ってるから。よろしく」
私達は笑いながら会議室へと向かった。私を元気付けようとしてくれた2人の気持ちがうれしかった。
会議室の引き戸の前に着いた。私は両脇に立つ陽子ちゃんと肇くんの顔を見て頷くと引き戸を丁寧に開けて名乗りを上げた。
「2年A組の古城ですけど、立候補届を提出に来ました」
中では現生徒自治会長の大村先輩の他に選挙管理委員となった1,2年生のクラス委員長が何人か詰めていた。そして何故か生活指導担当の宮本先生も会議室にいた。
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