第43話 バドガール

 この話、とあるフォロワーさまにチラッと言ったら、食い付きが良かったので書いてみます。



 私、大学は2部に行ってました。


 夜間って事ですね。


 でも、卒業単位は、昼間の学生と殆ど変わらないんですよ!


 2部は、1日に二講しか無いのに。


 全部しっかり、単位取らないと卒業できません。


 記憶が定かでは有りませんが、確か、3つ落としたらアウトだったような……




 で、その頃、めちゃくちゃ働いてました。


 一人暮らしの生活と、学費の両方を自分で工面してたんです。


 昼間は、9時から17時まで働いて、18時から21時まで大学、更に週末は、21時30分頃から2時頃まで働いてました。


 よく頑張ったなぁ。自分。


 兎に角、時給で選んでたので、夜の仕事は、繁華街でのモノが多かったです。


 夏の土日は、ビルの屋上のビアガーデンのバドワイザーでバドガールしてました。


 白いタイトな制服に、白のヒール、背中にビアサーバー背負ってましたね。


 締め付けのめちゃくちゃきつい、テカテカのストッキングで(笑)


 休憩時間の、化粧直しと、大量の脇スプレーで、休憩室はスゴイ匂いでくしゃみが出るんですよね。


 でも、脇スプレーは欠かせない(笑)


 19歳から21歳まで、夏のバイトに選んでたんですが、3年間20歳ハタチで通してましたね。


 お酒飲むわけじゃ無いんだけど、夜中まで働くので、20歳の方が受かるかなーって、友達の紹介で入りました。


 最近は野球場くらいしか、サーバー背負うの見ませんね。


 正解だと思います。


 アレ、重いから汗だくになるし、すぐ無くなるしで、キツかったから。


 今でも、ビールの注ぎ方には自信が有ります!



 あと、変わってるのは、“スナックとキャバクラの間”みたいなお店のママさんに誘われて、お手紙書く仕事もしてました。


 上客には、ママが直筆で書くし、お得意様が居る女の子もその方の分は自分で書きます。


 お名刺貰ってる初見のお客様と、時々来るお客様、あと、会社宛てのお手紙書き。


 これも面白かったですね。


 パソコンで打ったんじゃダメなんですよ。


 そこのママは、直筆にこだわってました。


 たまに、氷割りしたり、混んでる時に、チャームの盛り合わせ手伝ったりしてましたね。


 もちろん、ビールも注ぎましたよ!


 このお店のママさんって、面白くて、すっごい小柄なのに、前は大型トラックの運転手さんだったんです。


 そして、飲み屋さん開いてから、法人化して、女の子達にしっかり社会保障付けてました。


 頭が下がります。


「夜の仕事をしてたって、頑張れば自分の力で、中古のマンションくらい買えるようでなければね 」


 コレが、ママの口癖でした。


 男気がある、良いママさんでした。



 そこによく来る、お米屋さんの社長さんがいて、私に愛人契約しないかって言いました。


 1人、愛人を解任したらしいのです。


 当時、社長が50歳くらいで、愛人さんが、55歳くらいだったと思います。


 思い合ってたけど、結婚は出来なくて、ずーっと続いてたんですって。


 お子さんも居て、正妻さんとの子供と同じ名前付けてました。


 言い間違えない様にですって。


 しっかりしてるというか、何というか……


 手切れに、店と、マンションと、当分困らないだけの手切れ金を渡したそうです。


 嫌いになったとか、揉めたとかじゃなく、自由にしてあげたって言ってました。


 甲斐性あるなぁ。




 当時で、毎月、20万くれるって言うし、中古のマンション買ってくれるって言うんです。


 年上好きのおじさんキラーでしたから、私にとっては美味い話でした。


 社長は、顔は普通だったけど、ダンディだったし、長く一緒に居れば好きになるだろうなぁ……と感じるような大人の男でした。


 なのに、月に2〜3日しか逢いに来ないって言うんですよ?!


 今なら、“亭主元気で留守が良い”感覚も分かりますが、当時は若かったので、「そんなの淋しすぎる」って断りました。


 その断り方が、いたく気に入ったらしく、随分と可愛がってもらいました。


 飲みにも連れてって貰ったし、色々変わったモノを沢山ご馳走になりました。


 お米屋さんだから、お米も貰ったし、判例六法まで買ってもらった記憶があります。


 判例って毎年変わるから、最新が欲しくなるんだけど、当時の私には高額だったのです。


 勿論、清く正しい飲み友としてですよ。



 なんていうか濃いですよね?!


 こんな、苦学生的(?)大学時代を過ごしてましたっていうお話でした。

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