カルテNo.7 どの世界にも宗教や習慣があるもの
それから私はリクト君に案内されて学校の玄関まで見送られてから家路へと向かう。なんだか、今日はリクト君の深いところを聞けたんだよね。
お姉さんの事、ビタン家の事、そしてお姉さんの形見が未だに行方知らずの事、リクト君の師匠でもあり、お姉さんの親友の事。
個人的に引っかかるのはリクト君のお姉さんの親友の事だわ。そのレイさんについてはクマ吉にでも今度、聞いてみようかしら?
「やべぇ……酒チャンポンして飲み過ぎて気持ち悪ぃ〜……でも、飲まなきゃやってられねぇなぁ。はぁ〜タバコが美味い……」
「……」
レンガで整備された道の端っこで壁に寄り掛かって座り込んで項垂れてはグロッキーな顔をした女の人が居る。
ってか、昼間から飲酒って良い御身分だな。
酒チャンポンして気持ち悪いのにレザージャケットの内ポケットからスキットルボトルの酒を飲んでタバコ吸うってまさしく悪循環という……
「ねぇ!ねぇ!そこのお姉さん!」
「え?私かしら?」
「そうそう!」
不味いわ。よりによって何だか見るからに面倒臭そうな人に絡まれてしまった……
「ちょっとぉ!見てないで担いで家まで送ってよぉ!これあげるからさ!」
「そうだけど、家は何処なの?それとお酒は大丈夫、気持ちだけ受け取るわ。」
「なぁぁにぃいい?!酒が飲めないって?!私の酒が飲めねぇのかぁあ?!アタシは教会の第12……」
私は営業スマイルを絶やさずにいるけど心の中では一言……酔っ払いうぜぇぇええええっ!!
「分かったわ。お酒は貴女を送ってから頂くわ。だから貴女のお家は何処かしら?」
「えぇーっと、アタシのお家は……zzzzzzzz」
「……」
何かもう面倒くさいからそのまんま道端に放り投げても犯罪にはならないよね?
「はぁ……仕方ない。取り敢えずは目が覚めるまで私の家で休ませようかしら。」
私は良心の呵責からそのまんま道端に放り投げられず、その人を一旦家で寝かせてあげようと思い、担いで家まで帰宅。
周りの視線がめっちゃくちゃ刺さって気まずかったけどね。
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