カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう

「アイツはミラージュ・ファミリーで懸賞金1億2000万マルク。フルッティ部隊の隊長でその名も【水大刀(みずたいとう)シャーカ】だ。」


「水大刀シャーカ?」


「あぁ、見ていたと思うけどアイツは自分の身長近くの大刀を片手で軽々と持ち上げての接近戦。そして水を扱って中距離、遠距離の戦闘、そして水を媒体に分身を使っての隠密行動も得意な幹部だ。」


「そんな奴がどうして?」


「多分、だけど今回の病院襲撃はミラージュ・ファミリーとしては何がなんでも成功させたいんだろうな。そうでないと幹部が出払う必要がない。」


「……」


「それに、さっきのアレはシャーカの使った水分身の奴だ。分身と言えど戦闘力はそこそこあるけど、オリジナルはそれの比じゃない戦闘力だ。」


「そんな……で、でもどうして私のサドマーゾが?!」


「それは相性じゃないか?って思う。」


「相性?」


「そうだ。日野先生のサドマーゾや俺のセクメトと言った魔装具には属性があって日野先生のサドマーゾは火属性。俺のセクメトは身体強化属性になるんだ。」


「なるほど、そう言う事になるのね……だから私のサドマーゾは火属性だから、そのシャーカって言う水を操る奴には相性が悪いって事なのね……」


「そんな感じだ。だから、もし日野先生はシャーカに出会ったらシャーカとの戦闘は俺に任せて人質の救出を優先させてくれ。」


「うん。分かったわ。」


そして私とリクト君は優先順位を決めてから、この危機を脱出する為の作戦会議をする。


まずは第一優先としては病院の表玄関で人質の救出及び解放。その次にリリーナちゃんの捜索及び保護。最後にシャーカを捕らえる又は倒す。


「よし、だいたいこんな感じでやっていくけど大丈夫か?」


「う、うん!大丈夫!」


勢いに任せてつい『大丈夫!』って言ってしまったけど本当は内心は不安でしかない。今までこんな修羅場的な感じがなくて自分が如何に平和に過ごしていたのかが分かる。


すると、そんな私の不安がリクト君に伝わったのかリクトは私に近づき手を握る。

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