カルテNo.6 人生って1回きりだから悔いなく今を生きよう

そう言って私はクマ吉のいる部屋から出てエレベーターのボタンを押してから数分と経たずに到着して乗り、そのまんま1階まで降りていきエレベーターから出て市役所の出入り口を開けて家へ戻る。


「帰ったらキャビンに晩ご飯作らなくちゃだなぁ。それに洗濯とかもしておかなくちゃだし。」


私は夕暮れを後ろにして歩きながらポツリと独り言を漏らす。実は前の旧病棟の時、メルザードとの戦闘の際、キャビンは太ももにヒビが入ってしまい、暫くは安静の為、家事全般は私がやることになっている。


この世界に来る前は自分で1人暮らしをしていたから家事全般は嫌じゃないけど、キャビンは大食いだから、なにかと食費が重なるのよね。


「お姉さん!お姉さん!今日は採れたての魚が手に入ったよ!」


「ん?」


私は鮮魚店のおじさんに声を掛けられて振り向くとおじさんはニカッと笑いながら私を呼び止める。


「どうだい?今日は今が旬の魚が大量に採れたからさ!生で良し、焼いて良し、煮て良し!今なら1尾サービスしちゃうぜ?!」


「そうねぇ。」


この魚は何回か食べた事あるけどお刺身にしても、焼き魚にしても煮付けにしても美味しかったから、今日はコレにしようかしらね。


「じゃあ、コレを頂こうかしら。」


「まいど!200マルクで1尾サービスだ。」


「ありがとうございます。」


私はお財布から200マルク払い手提げ袋を片手に家路へと向かう。今日はこの魚でムニエルにしようかしら。キャビンも喜ぶと思うわ。


そう思っているうちに家に着いたので玄関のドアノブに手を掛けてドアを開けてから靴を脱いでリビングに向かうとキャビンが台所に立っていた。


「ただいまキャビン。ってアンタ、足怪我してるのに大丈夫なの?!」


「カラカラ。お帰りなさいませ桃香様。大丈夫ですよ。私こう見えてケガの治りは早いですから。」


「どれよ、見せてご覧なさいよ。」


私は確認の為にキャビンの太ももを確認してみるとヒビは綺麗に治っていて元どおりになっている。


「ね?大丈夫ですよね?」



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