カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね

魔力切れでフラフラな私と足にヒビが入って立てないキャビンがリクト君1人で抱え込むとこうなる。


「お、重い。」


「カラカラ。私は骨だけなので軽いですわよ。」


「ちょ、ちょっと!それじゃあ私が重いみたいじゃない。」


「耳元で騒ぐと降ろすぞ……」


「「ごめんなさい。」」


見ての通り読んで字の如く『おんぶに抱っこ』である。キャビンはリクト君の背中におんぶされて、私はリクト君にお姫様抱っこ。


リクト君はセクメトに変身したまんま地下4階から地下5階への階段を降りると目の前には地下鉄道の乗り物があり、そこに乗り込んでからキャビンが操作すると乗り物は走り出す。


「ねぇ。結局、アンデット兵士とかメルザードの思惑って分からなかったわよね。」


私は乗り物の中で寝そべりながら言う。結局の話、私達は地下から脱出するのに必死で旧病棟に何故そんな施設や実験があったのかは分からなかった。


「そんな事、別に良いんじゃねぇか?」


「え?」


「カラカラ。リクト様の言う通りですわ桃香様。」


「でも……」


「俺達はたまたまお化け屋敷に放り込まれて生きて、ここから出れた。それで良いんじゃないか?」


「それもそうね。」


その後、私達はマヤローモ総合病院にある地下鉄道の駅に繋がる扉の前に着いてから気が付いたら朝日を迎えていた。


そこで仮眠を取ってから私、リクト君、キャビンの証言を元に病院に行って旧病棟の怪奇現象についての報告書を提出。後は病院のお偉いさんに任せて旧病棟での怪奇現象は幕を閉じた。


それから10日後に私とリクト君はミラージュ・ファミリーと病院内で激しい戦いになるのを、まだ知らない。



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