カルテNo.5 夜の病院って怖いかエロスなイメージだよね

「仕方ないだろ。あっちから襲って来たんだしよ。」


「でも、あんなにやる事はないじゃない?もしかしたら生きている人だったかも……え?嘘……」


「カラカラ……コレは笑えませんね。思わず心臓が止まりそうってか私、心臓なんてとっくにありませんでした……カラカラ。」


「おいおい、普通は立ち上がらないだろ?」


私達が今、見ている光景というのは、腰骨が有り得ない方向に曲がっているのにも関わらずに、何ともなかった様に立ち上がるソイツの姿を見たら間違いなく寿命が縮むでしょう?


それが今、私達3人が見ている光景なのよ。おまけにソイツはただ私達に向かって、ゆっくりと一歩、また一歩と近づいているではないか。ジワジワと襲い掛かる恐怖に私達は今、襲われているのよ。


「コレって、U-ウィルスに取り込まれた人の姿だって言うの?」


「この様子だと自我なんて無さそうだな。」


「カラカラ。本能のままに人を食い殺して倒しても、倒しても立ち上がり敵を殲滅するまで歩き続ける。まさにアンデット兵士ですね。」


「それなら殺す他ないな。フィンガー・バレッタ!」


リクト君はそう言って暗殺術である六幻の技の1つである高速でソイツの心臓を目掛けてフィンガー・バレッタを撃ち抜いて、ソイツの胸にはリクト君の腕が突き刺さる。


「なに?」


「リクト様!」


しかしソイツは心臓を貫かれてもなお、歪に動きながらリクト君に向かって自ら胸を貫く様な形で口を開き、ヨダレを垂らしながら食らいつこうとする所をキャビンはレイピアを構えて走り出してソイツの首を跳ねる。


首から胴体が離れたソイツは首から血飛沫を上げて力なく倒れ込む形で動かなくなり一旦、落ち着きを見せる。


「おいおいマジかよ……普通は心臓を貫かれたら動かなくなると思うんだけどな.…」


「カラカラ。間一髪でした。どうやらU-ウィルスを取り込まれた人は頭を跳ねないと死なないと分かりましたので、コレだけでも収穫ですよ。カラカラ。」


「コレからこんなのが沢山いるって事だよね?」

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