リクト君は前回の戦いで重傷を負いながら幸いにも数日の入院で回復して数日で退院する事が出来て今、私は1週間に1度のマヤローモ総合病院の職員会議に参加している。

職員会議の内容は患者さんからのクレーム対応のマニュアル、患者さん満足度の底上げ、コミュニケーション、今後の病棟や科の方針、いやらしい話だけど売り上げなど。

だけど今回は少しだけ、いやだいぶ違う。今回の話というのは最近、夜中の旧病棟内で起きる不可解な出来事である。

まず旧病棟の話から今の病棟は比較的、新しく建てられた病棟で旧病棟というのはマヤローモ総合病院が創設されたと同時に建てられた木造の建築物である。

木造の建築物の為、時を追う事に建物には歪みや劣化が著しくなっていく為、今の病棟が建てられたのは15年ほど前、それから病院の予算の関係上、取り壊すに至らず15年の間、取り壊さずに放置してあったとの話。

そして、つい最近になって旧病棟を取り壊す事が決まり、新しい病棟を創設すると決まった中で旧病棟の中から夜中に人の姿やら呻き声など夜勤を務める看護師から多数の目撃情報が見受けられるとの話。

かつてのマヤローモ国内では今でこそ平和だが、その歴史の中で大きな戦争が起きており、その戦いの中でこの旧病棟内で息を引き取った者も数多くとされている為、一種のいわく付きとされているらしい。

そこで議題に上がったのは、この旧病棟内で起きている不可思議な現象を突き止めて報告するという事になるけど、誰が原因を突き止めるのかが話し合われている。

「取り敢えずですが誰かが当番で見回りして、見た事、聞いた事を記録して、その結果を報告するというのはどうでしょうか？」

「その意見には賛成です。」

「私もです。」

「自分も賛成です。」

「僕も賛成です。」

それぞれの院内の科長である代表が話し合った結果、当番で旧病棟を見回りして旧病棟内で起きた事を記録して報告するという形になる。まぁ、私は仮にも女だしそんな怖い所なんて行かせないと思うけどさ。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい