カルテNo.4 仕事ばっかりの日々では疲れてしまう

私は反応が一瞬遅れて動きが鈍くなり、避けようとするけど避けきれない。マズイ。確実に攻撃を喰らう。そう思った時だった。


「キョリ・ツメ。」


「え?」


「ぐあっ……」


確実にスカル・レイのコブラ・ウィッパーの餌食になると思った所で、ライオンの青年が私を抱き合う様に身を挺して庇ってくれ、彼は口から血を流して仰向けになって倒れ込む。


「どうして……?」


「だから言っただろ……目の前で助けないのは目覚めが悪いんだよ……女だと……特に……」


「もう喋らないで!!もう……」


私は自然と涙が零れ落ちてくる。悲しさから来る涙じゃない。怒りの涙が出てくる。結局、私は弱くて守られて彼の足手まといになっている。それがどうしようもなく嫌で自覚してしまう。


「だから、ここからはお姉さんに任せて。」


「分かった……」


ライオンの青年は静かに目を閉じて眠った様に気を失うけど息はあるけど脈が弱い。グズグズしていられない。コイツを早くやったかないと。私はゆっくりと立ち上がり頭をクリアにして考える。


スカル・レイの武器は今の所3つ。不規則に動き回るコブラ・ウィッパー、攻撃や防御にも使えるスパイダー・クロー、そして遠距離攻撃で厄介なバッド・アロー


そして、私の使える武器は、炎を纏った鞭のトォーズ・ウィップ、同じく炎を纏った蹴りのピンヒール・キック、溶けたロウを飛ばすメルト・キャンドル、相手を自由自在に拘束させ電流を流すバインド・ロープ。


まだ使った事がないのはメリケンと三角木馬。それに彼は2つのスキルを使っていたから、もしかして私にも使える?分からないけど試してみよう。考えている暇はない。やってみないと……


「さぁ、ショウ(性)タイムの時間よ。この豚野郎。」


「フン!」


「トォーズ・ウィップ、ピンヒール・キック。」


右手を天にかざして呪文を唱えた瞬間。私の右手に棘が無数に連なる灼熱の火を帯びた鞭が現れてそれを手に取り構えると同時にピンヒールを履いた右足と左足の両足から灼熱に燃え盛る炎が纏い蹴りの構える。


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