カルテNo.4 仕事ばっかりの日々では疲れてしまう
スカル・レイの言う人間達が魔人達の住処を奪い取り、そして自分達は自分の故郷を取り戻そうとしているに過ぎない。その言葉に胸が突き刺さり私は何も言い返せない。
「この長い歴史において、かつてオレ達、魔人はドラゴンと共に共存して生きていた。だが、突如として人間達が現れて人間が使う『魔法』と呼ばれる兵器でドラゴンは滅ぼされ魔人達の住処は奪われた。」
「……」
「オレ達はただ、かつてオレ達の先祖達が住んでいた自分達の故郷を取り戻すに過ぎない。その邪魔をする人間は排除するべきと考えている。」
「だ、だからと言って、こんな乱暴なやり方は正しいと思わないわ!他に話し合いの場を設けてお互いの意見を尊重して……」
「生温いな……」
「何ですって?」
「かつての魔人の祖先達はそうやって人間達に話し合いの場を設けた、だが話は平行線で進まないばかり、更に人間達は一時期、魔人達を奴隷にして人身売買までしていた始末。」
「それでも分かり合えるはずよ!」
「何を抜かす。オレ達の気持ちを知らずにベラベラと綺麗事を。バッド・アロー。」
「っ?!」
すると静かな怒りを感じさせながらスカル・レイは右手を天にかざして呪文を唱えるとコウモリの形をした弓を持ち構えて魔力で作られたエネルギー源の矢を放つ。
「メルト・キャンドル。」
私は右手を天にかざして呪文を唱えてメルト・キャンドルを右手に持ち魔力で作られたエネルギー源の矢を避けながら溶けたロウで矢を溶かすように打ち消す。
「勝てば官軍、負ければ賊軍。いつも歴史は勝者による歴史で成り立っている。いつも勝者である人間の都合の良い解釈の歴史だ。」
「それでも争いは争いしか生まれないわ!何故そこまでして争いで解決する事しか出来ないの?!」
「黙れ、人間の女。オレとお前では生きてきた環境が違う。潜ってきた辛酸や苦労が違う。生きる覚悟が違うんだよ。」
するとスカル・レイは今まで1本、1本の矢を放っていたが今度は数えきれないほどの魔力で作られたエネルギー源の矢を出現させて放つ。マズイ!これじゃ避けきれない。
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