カルテNo.4 仕事ばっかりの日々では疲れてしまう
「グラララ。何が本気出すって俺はカスリ傷1つもないぜ?!無傷でピンピン……アレ?」
するとキャビンは後ろに居るアリーゲに対して、ゆっくりと静かに不気味に振り返り抑揚のない声でアリーゲに言う。
「カラカラ。もう斬っちゃいましたよ?」
キャビンがアリーゲに後ろから振り返った瞬間に無傷のはずのアリーゲが右の下っ腹から左の胸まで斬り上げられて傷口を綺麗にパックリと開けられてしまった。
「ど、どう言うことだ?!分からねぇ!さっぱり訳が分からねぇな!!」
「カラカラ。簡単な話ですよ。私の斬る速さが貴方の目には見えなかっただけ。」
「そ、そんな事があるか!あってたまるかッ!!」
「はぁ、やれやれですわ。アレだけの傷でこんなに元気だと、私も骨が折れちゃいますわ。カラカラ。」
「グラララ。俺は不死身だ!不死身だから何回、斬られようと何回も細切れにされても死なないんだよっ!!死ねねぇんだよっ!オラァァっ!」
アリーゲは深い傷を負いながらも真っ直ぐとキャビンに向かってバックラーを振り上げながら攻撃を仕掛ける。
「カラカラ、それならコレならどうでしょう?」
「オラァァァァアアッ!!」
「ティポセッテ・コルサ・バイソン。」
キャビンは突如として姿を消したと思った瞬間にアリーゲの胸をレイピアで串刺してから、すぐさまレイピアを引き抜くと、突き刺されたアリーゲの胸元から血が溢れ出す。
「ぐほっ……何故だ?!何故だ?!何故だ?!何故だぁぁぁああ?!」
アリーゲは訳が分からず、自分の思い通りにならない事への苛立ちとキャビンがあまりにも速すぎる事への理解が追い付かず無闇に叫び続ける。
そんなアリーゲを他所にキャビンはレイピアを構える。
「さて、そろそろ終わりにしましょう。ティポドゥエ・コールド・ジ・エンド。」
そう唱えた瞬間にキャビンはレイピアで高速で静かに切るとアリーゲはジワジワゆっくりと凍っていくのが分かる。
「何故だ!何故だなんだ?!チキショー!クソたれぇぇえ!!」
「氷漬けにされながら絶望していき絶命するとは何とも絶大な恐怖ですわね。あっ!桃香様の所へ行かなくては!カラカラ〜」
キャビンはレイピアを鞘に納めて走り出す。
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