カルテNo.4 仕事ばっかりの日々では疲れてしまう

しかしスカル・レイはひらりと躱してお互いの間合いのままトォーズ・ウィップとコブラ・ウィッパーを構えたままお互いに睨み合う。


「中々やるな。」


「敵さんに褒められても何だか複雑な気分ね。」


「なら、コレでどうだ?スパイダー・クロー。」


次にスカル・レイは再び右手を天にかざして呪文を唱えると顔の大きさと一緒ほどのメタリックな蜘蛛の形をした鉤爪のような物が右手に装着されスカル・レイは構える。


「今度は肉弾戦で勝負ね。ならピンヒール・キック。」


私が『ピンヒール・キック』と呪文を唱えた瞬間にピンヒールを履いた右足と左足の両足から灼熱に燃え盛る炎が纏い蹴りの構え、お互いに暫く動かない。


そして曇っていた空が風の流れで太陽が差し込んできた時に私とスカル・レイのお互いの合図になり、同時に間合いを詰めながら走り出して攻撃を仕掛けてくる。


「ハァァァアアアッ!!」


「ウェェエエエイッ!!」


スカル・レイの右手を振りかぶった瞬間に私は右の上段の回し蹴りを食らわそうとするが、それを見越してスカル・レイは顔面を紙一重に避ける。


「フンッ!」


「ウェイッ!!」


そして、振り上げた右足を軸足にして今度は左足で後ろ回し蹴りを喰らわすがスカル・レイはスパイダー・クローで盾の代わりにして私の後ろ回し蹴りを受け止める。


そこからお互いに視線を逸らさずに走りながら攻撃の機会を伺うけど、コイツはさすがにミラージュ・ファミリーの幹部のため、なかなか隙が見付けられない。


「お前は何故、オレ達に歯向かう?」


「え?」


「アンタが人間でオレ達が魔人だからか?」


「それは貴女達がこの世界の人々達を襲うから私はそれを守っているのよ。」


「なるほど、守るか……」


「そうよ。貴女達ミラージュ・ファミリーはここの人達を無闇に襲う。前の大戦で犠牲になった家族も居るのに未だに人々を襲うのは何故なの?」


「確かにアンタから見ればオレ達は人殺し集団かもしれない。だけどオレ達からすれば人間こそオレ達、魔人から住処を奪いオレ達は故郷を取り戻しているのに過ぎない。」


「え?」


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