カルテNo.4 仕事ばっかりの日々では疲れてしまう

「キャビン。私としてはもう少し落ち着いた感じの服装が良いかしらね?ほら、肌を露出し過ぎるのもね。」


「あぁ、シミやソバカスなどの紫外線とか出来ちゃいますからね〜……アレ?私、皮膚がないからシミやソバカスなんて出来ないんですけどっ!カラカラ。」


「まぁ、まぁ、そんな感じかしらね。」


「それにしても落ち着いた色ですかぁ。あっ、桃香様。コレなんかどうでしょうか?」


「……」


今、キャビンがガラス越しに指差している服装は確かにさっきの10代が着るような服装とは違い確かに大人びた服装だ。そこはキャビンも分かっているみたいだ。しかし……


黒のパンツにヒョウ柄のロングTシャツにカラフルな色した数珠のネックレスって、大阪のオバチャンみたいじゃないのよ!悪いけど、まだそんな年齢じゃないわよ!


「それよりも、キャビンもうちょっと私くらいの年齢に合う色とかどうかな?」


「ん〜……では、こちらはどうでしょうか?コレなら桃香様の年齢らしい色合いだと思います。」


「……」


いや、確かにさ。私くらいの年齢ならアリかもしれないよ?でもさ……


黒のスカートにタンクトップにパイソン(ヘビ柄)のレザージャケットってヤンキーじゃないのよ!それにヘビ柄のレザージャケットってアサリのパスタを殻ごとバリバリ食べるどこぞの脱獄殺人犯罪者の格好じゃないのよ!


「ねぇ、キャビン。さっきから、わざとボケてらのかしら?」


「……カラカラ。さて、次のお店へと行きましょう。」


「……」


わざとだ。絶対わざとボケて私にツッコミを入れる事でその場を面白がっている。間違いないわ。しばらく歩いているとキャビンはある店に足を止める。


「カラカラ。桃香様。こう言う服装はどうでしょうか?」


「ここって?」


「はい。見た目のオシャレと機能性を持ちながらリーズナブルな値段で大人気のお店。その名もウニクロです。」


「まぁ、ここなら良さそうね。」


ここって私の居た世界で言う所のあそこだよね?何だろうか。店の名前も物凄く似ているんだけど気のせいかな?うん。気にしたら負けだよね。


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