カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ

その理由としては関節を固定している関節包と呼ばれる袋が破れて関節位置が外れてしまうので、その関節包を縫わないと脱臼クセがついてしまうので縫うんだけど、その影響でほんのちょっとだけど関節の可動域に制限がでる。


逆にいうとオペ後の関節の可動域が左右が全く変わらないってなると関節包がうまく縫えてないって事になるから気を付けた方が良いわ。


「では、ジャックさん右腕を前から上げるとどうですか?」


「なんか、ここまでしか行かない……」


だいたい肩関節の屈曲120度ってところね。本来は肩関節の屈曲は180度だから結構制限があるわね。


「大丈夫ですよ。次は外から上に上げた場合はどうですか?」


「こ、これくらいかな?」


なるほどね。肩が上がらないから体幹の動作を使って上げているから本当は肩関節の外転は90度ってところね。これも本当なら肩関節の外転は180度。半分しか上がってないのよね。


「じゃあ今度は右と左の脇を閉めて同時に外開きの動きはどうですか?」


「これくらいかな?」


肩関節の外旋も右と左で左右差が出ている。特にオペ後の関節域に制限が残るのが外旋の動きになってしまうわ。原因は固定している時の肢位。その肢位は外旋とは別の作用である内旋の筋肉の作用が強く働いてしまうため。


「じゃあ今度は手を後ろにやるとどうですか?」


「ん〜何か行き辛いな。」


手を後ろにやる動作で専門用語で【結帯】分かりやすく言えば後ろ下から背中を掻いた時の動作になるわ。


「じゃあ、ベッドにうつ伏せに寝てもらってから右肩を中心に見ながら他に肩まわりに関係者する筋肉を緩ませていきますね。」


「分かりました。宜しくお願いします。」


ジャックさんはうつ伏せで治療ベッドに寝て軽く左右の触診しながら、まずは骨盤周りの筋肉をアプローチしていく。骨盤周りから太もも、ふくらはぎに硬さはちょっとしか見られないので軽く緩ませてから腰回り、背中周りへの治療。


「押し方は大丈夫ですか?」


「大丈夫ですよ?上手いですね。」


「いえいえ、まだまだですよ?」

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