カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ

何故かと言うと病院でのリハビリというのは患者さんが1日を通して過ごす24時間のウチの30分程度になる。なので手技治療だけでなく家で簡単に出来る範囲での筋力トレーニングやストレッチなどを教えて患者さん自身が家で実践させて頂く。


そうする事で1日でも早く患者さんのオペ術後の関節可動域向上と筋力向上と日常生活に支障のない範囲に持っていく事が出来る。


さてとリハビリ室に着いたし入るとしよう。私はリハビリ室の扉をガラガラと開けると白を基調とした広々とした空間に恐らく何人かのオペ後の患者さんがリハビリをしているのが分かる。


そこに1人座る50歳前後の男性であるジャック・モハマドさんが座っているのが分かる。


「あの、ジャック・モハマドさんですか?」


「はい。そうです。」


「初めまして。今日からジャックさんのリハビリ担当をさせて頂きます日野桃香です。宜しくお願いします。」


「おぉ、こんなスタイルの良いお姉さんが自分の担当ですか?!」


「はい。宜しくお願いしますね。」


ジャックさんは私を見て何か嬉しそう。まぁ医療関係者で私の様な女で自分より若い人を見るとそうなるわよね。師匠の元で働いていた頃もお爺ちゃん、お婆ちゃんが多かったから慣れてるし。


「では、ジャックさん。今の右肩の方はどうですか?」


「やっぱり手術したから痛みはそんな無いんだけどどうも腕が上がり辛いんだよな。」


「ん〜。その原因はやっぱり手術後に固定をしていたので少し筋肉が固まってしまってる影響が強いかな?って思います。それに傷口が小さいとはいえ、皮膚を切ってるので少なからず皮膚が突っ張ってるのもありますよ。」


「そうなんですね。」


「なのでリハビリも週2から週3でやっていきましょう。リハビリの適応期間も半年と言われていますので、それまでに普通の生活で違和感なく過ごせるようにしましょう。」


敢えて言わなかったけど、肩関節のオペ後は内視鏡の手術とはいえ、少なからず後遺症として関節の可動域制限がある。

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