カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ
「では、次に手技の治療に入りますので、身体を押される治療は初めてですか?」
「初めてです……」
「そうなんですね。ミリアさんの場合は右手が1番痛いと思うんですけど、立ち上がった時に腰とかも痛そうだったので、全体的に診ていきますね。そうする事で、身体の動きやすさも出せたら良いかな?って思います。」
「分かりました。ここ最近、腰も痛かったので宜しくお願いします。」
「では、治療していきますので、今日は初めてなので気持ち軽めに強さ的には痛気持ち良いくらいの強さで大丈夫ですので、痛すぎたら遠慮なく言ってくださいね。」
「はい、分かりました。」
まずは身体全体の左右の筋肉の硬さを首、肩、背中、腰、骨盤、太もも、ふくらはぎと軽く触診していく。この様子だと恐らく右手で抱っこしているかな?
「ミリアさんは利き手って右ですか?左ですか?」
「左手ですね。」
「じゃあ、子供を抱っこする時は右手で抱っこして左手で家事をする感じですか?」
「そうですね。最近は大きくなって重くなってきてます……」
人間って言うのは全員が全員じゃないけど何かを作業する時は利き手でやる事が多い。そうなると何か持ちながらやるとすると利き手とは反対の手で持つ事が多い。
ミリアさんの場合は利き手が左手になるので子供を抱っこするのは右手になる。その右手の使い過ぎによって右手首から親指に掛けての痛みとして腱鞘炎の症状が出ている。
それに抱っこしている時間が多いのが分かるのが骨盤が前傾している。まぁ、分かりやすく言えば、出っ尻と呼ばれていると言うやつになるわ。
出っ尻だと良くない理由としてはまずは人間の身体の中心である土台が傾く事で身体の使い方が変わってしまうという事。家だって土台が壁にヒビが入ったり柱が傾いてしまうでしょ?
それが背骨だったりするわけで背骨も微妙だけどズレたりするわけだ。そのズレを庇おうとして無理矢理、筋肉が余計な緊張を出してしまい硬くなり、腰や背中、首と悪くなってしまう。
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