カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ
フィンケルシュタインテストとは難しいような名前だけど実はとてもシンプルで親指を中に入れ込んだ状態でグーにして握り込んで痛ければ腱鞘炎が陽性で痛くなければ陰性のテスト。
だけどミリア・ナタルさんの場合は親指を握り込んだだけでも痛いという。コレはだいぶ重症な部類に入るから早急に症状改善が求められる。
「では、ミリアさん。これから電気の治療をやってから、手技の治療をやっていきたいと思うんですけど良いですか?」
「はい、宜しくお願いします。」
「では、こちらのベッドでうつ伏せになって頂いて良いですか?」
「分かりました。あいたた……」
「ゆっくりで大丈夫ですからね。」
ミリア・ナタルさんは椅子から立ち上がる際に腰に痛みを感じながら立ち上がりベッドにうつ伏せになる。その瞬間を私は見逃さず腰の治療もした方が良いと考える。
私の資格は法律上は診断が出来ないので視て、聞いて、触ってでしかその症状の判断が迫られる。その為、1つ1つの細かい動作や患者さん話している事を見逃さない。
「取り敢えず、電気は手首まわりと腕と肩に付けていきますね。一見、腕とか肩って関係無いようですけど、周りの筋肉も緩ませた方が良いかなって思いますので、宜しいですか?」
「あっ、そうなんですね。宜しくお願いします。」
手首周りの筋肉って言うのは腕まわりから関節を跨いで手首や指に着く筋肉が殆ど。だからこそ周りの筋肉を緩ませる事で手技治療の前準備として電気を付けるっていう事。
私はシールで痛い部分に張り付けて、そのシールにコードを繋げるタイプの電気(まぁ、SSPと呼ばれている)を着ける。
「では、電気が来ましたらお声掛けてくださいね。まずは手首から行きますね。」
SSPと呼ばれる電気をゆっくり手首から上げていく。電気の上げ方としては、心臓から遠い所から電気を付けた方が良いと言われてる。何故かって言うと、いきなり心臓から近いと心臓に良くないっていう話。
「あっ、来ました。」
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