カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ

換金所で言えば、丁寧な接遇や立ち振る舞い。待ち時間を少しでも忘れられる様に無料で美味しい飲食物を提供する事でまた換金する時はここの換金所にしようってリピーターが付いてくるのよね。


「お待たせしました。説明させて頂きます。」


すると再び換金所の男性査定員が現れると私とキャビンの間に座る形で数枚の書類を持ってきて、書類を読みながら説明を始める。


「まず、お客様が持ってきたモノは懸賞金が掛かったミラージュ・ファミリーが身につけていた装飾品になります。これは本来であれば、遺体を持ってきて頂くのは間違いないですが、この装飾品でミラージュ・ファミリーを倒したと言う事に間違いない証にもなります。」


換金所の男性査定員は書類のページをめくり続けて説明していく。


「こちらの装飾品ですと。ミラージュ・ファミリーのインセット部隊。風の魔女ドレイカと分かりましたので、お客様には260万マルクを支払いたいと思いますが銀行振り込みか、現金手渡しが良いか選んで頂きます。」


「現金手渡しでお願いします。」


「かしこまりました。では、現金をお持ちしますので少々お待ち下さい。」


換金所の男性査定員は再び立ち上がり換金する現金を持ってきて、お金を受け取る四角形のお盆に現金を持ってくる。


「念のため、お客様自身でお金の枚数の確認をお願いします。」


「はい、分かりました。」


なんか人前で現金を数えるのって卑しい感じがあるから気が進まないけど、査定員の人が言うから仕方ないわね。


私はお盆の上に乗っている札束に手を伸ばすけど、260万マルクっていう割にはやけに薄いような……


まぁ足りなかったら言えば良いんだしね。私は1枚1枚丁寧にお札を数えて行くけど明らかに足りない。だって260万マルクのはずなのに26枚しか札束がないだもん。


残り236万マルク足りないけど、ちょっと待ってなんか変だわ?


私は1枚のお札の桁を数えてみる。一、十、百、千、万、十万……


どうやらこの世界には10万マルク札があるようだ。これなら間違いなく260万マルクね。


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