カルテNo.3 どの世界でも生きるには働かなくちゃ
「確かに260万マルクありました。ありがとうございます。」
「では、出口までご案内しますので着いて来て下さい。」
私は260万マルクを上着のポケットに入れるとキャビンと一緒に立ち上がり換金所の査定員に案内されるがままに出口へと向かう。
「ここから、そのまま外へ出れますのでお気を付けてお帰り下さい。またのお越しをお待ちしております。」
「どうも。ありがとうございます。」
換金所の査定員はドアをガチャリと開けて深々と頭を下げて最後まで丁寧な接客を心掛けて私達を見送り、私とキャビンは出入り口を出ると入口の時とは違う場所へ辿り着く。
「アレ?さっきとは違う場所じゃない。」
「基本的に換金所の出入り口はランダムになりますので入った時と出た時が同じ場所と言うのは、あんまりありません。」
「なるほどね〜。それより、ここはどの辺なの?」
私は今まで見て来たのは石畳の歩道にレンガの建物ばかりだったけど、今の景色はどちらかと言うと、工場地帯の様な建物ばかりが立ち並んでいる。
「ここはマヤローモでも有名な工業地帯になっておりまして、主に電化製品やその部品を作っております。その電化製品は他の国へと貿易したりなどの国交を担っていたりもします。更に言えばマヤローモの電化製品は品質が高い為、どの国からも依頼が出ているとの話です。」
「なるほどね。それで次に行く市役所はここからはどの辺なの?」
「ここでしたら、10分ほど歩けば着きますので行きましょう。」
キャビンに着いて行く事10分ほどで最初に私達が居た街中へ戻って来ると市役所に着いて、そこから住民票を取りに行く。
市役所の中へ入って行くと恐らく住民課の受付へ行くと昨日の純情ボーイが可愛い笑顔でやってくる。
「おはようございます。今日は何か御用ですか?」
「はい。住民票をお願いしようと思いまして。」
「では、あちらにお名前と紙のご記入をお願いします。」
私は純情ボーイの癒されるエンジェルスマイルに鼻血が出そうになる。
「桃香様。鼻血が出てますよ?」
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