カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。

しかしクイーンは今もなおアウシュベル収容所に投獄されたままであり会議も難航すると思われる。そう思っていた矢先に別の足音が聞こえてくる。


「足音だにゃ……」


「ヤレヤレ。まさか付けられていたとは……凍らせて口封じか?」


「口封じなら殺った方が早いんじゃない?」


「いや、ここはワシに任せろ。」


「厄介ですわね……」


5人は完璧に収容所からの追手が付いてきたと思い各々が戦闘の構えを取る。


サミラは雉を想像させる様な姿になりサミラの周りは冷たい風が舞い辺り一帯を凍り付かせる。


スレイヤーは全身がグレーに染まり顔はドクロの様な不気味な姿になり腕の数は6本と更に腕の数同じ数の大鎌を構える。


チャンプは黒い翼を広げ全身から紫色の紋様が浮かび始めそしてバチバチと身体中から稲妻が走る。


シャーカは今にも咬み殺すかの様な鮫の姿に変わり魔力を放出させながらシャーカよりも一回り大きい大刀を持ち構える。


ナージャは触覚の長い昆虫の様な姿になり錫杖を構えるとナージャの周りには押し潰されるかの様な重力が発生する。


その追手と思われる奴は足音からして2人人と思われる。一歩、また一歩と近付いてくるのが分かる。しかし、なんせここは薄暗い地下道。姿は見えてこない。


だが急に足音が消えると5人から、無言の緊張があたり一帯を包み込む。


「連れてきたぞ。お前達。」


「そう、慌てずとも良いフェリチタ・ストレーガ(幸せの魔女)達よ。お前達は私が直々に幹部に選んだ幸せな魔女なんだから。」


「クイーンさんと死神の旦那……?」


「スカル・レイとボスッ?!」


「何故、貴女とクイーン様がっ?」


「レーちゃんとクーちゃん?」


「あれれ?」


そう。なんと足音の正体はアウシュベル収容所に投獄されているはずのミラージュの頭とも呼ばれるクイーン本人。それと【死神】と呼ばれているスカル・レイの姿であった。


「フフフ。どうやら私が死んで蘇ったかの様な表情をしている様ね。フィリチタ・ストレーガ達よ。」


「オレは死神さ。元々、死んでいるんだ。死んでも蘇るさ。」

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