カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。
ライオンの青年は不敵に薄ら笑いで私とすれ違った後にそう耳元で囁いて私が振り向いた後にはすでに昼間と同様、ライオンの青年は姿を消していった。
私はサドマーゾの変身を解いて元の姿に戻るとさっきまでの張り詰めた空気から解放されたのかどっと疲れが出てくるのが分かる。
「桃香様。大丈夫ですか?」
「えぇ。大丈夫よ。少しだけ疲れただけよ。」
「取り敢えずミラージュ・ファミリーは居なくなった訳ですから今日は家に帰ってゆっくり休みましょう。」
「そうね。そうきましょうキャビン。」
私は何でもないような顔をしているけど、どこか疲れている顔をしているのだろう。それもそうだ。今日1日で色んな事が立て続けに起きたんだから疲れても仕方ないよね。
「桃香様。家はすぐなので、もう少しの辛抱ですので。」
「もう。大袈裟ね。怪我人じゃないのよ?」
「カラカラ。年をとるとロクな事がないって本当ですね〜カラカラ。」
「何ですって?!」
「わぁ〜桃香様ったら超怖い〜!」
「アンタ待ちなさい!」
その後、私は家に辿り着き詳細についてはまた今度、話すとして今日はそのままベッドに転がり込んで疲れてしまったのか、そのまま即寝で深い眠りについてしまった。
カツン……カツン……
場所が変わりとある地下なのだろうか。薄暗く人の気配も見当たらない場所にヒールの足音だけが聞こえてくる。
「はぁ~……もう、やっと追っ手から免れたようねぇ。」
「チャンプ~。ボクお腹空いちゃったにゃ~。」
「ウチも超かったるいぜ〜チャンプ。」
「もう貴女達はまたですか?!さっきも地下に休憩して行く前に食べたばかりじゃないですか?!」
「うん。だってボクって燃費が悪いからさ。それにもう動けないにゃ~。おんぶしてにゃ~。」
「アタイも超面倒くさくなってきたぜ〜」
「頼みますからドヤ顔で威張らないで下さい!貴女達。それにあともう少しで着きますから頑張って下さい!スレイヤーにシャーカ!!」
敬語で話す露出の高く黒い翼を生やした大人の女性はチャンプと呼ばれていて、その隣にいる髪の毛がボサボサだが中性的な童顔のゴスロリ衣装がスレイヤー。そしてベリーショートに明るい髪のギャル風の顔にタトゥーの入ったシャーカと呼ばれている。
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