カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。

「今の俺っちじゃあロクに魔法も使えないからさ。奴等の対抗するには伝説の魔装具の1つのサドマーゾの装着者を探していたら桃香っちを見つけたのさ。」


「だいたい何で私なの?他にも誰でも居るじゃないのよ。」


「そうだねぇ~……魔装具のコアってさ、実は意志を持っていてね。そのコアって言うのは人によって適合もあれば不適合もある1つ条件があってさ。サドマーゾの装着者の条件は厳しい条件なのさ。その条件が厳しければ厳しいほど、その魔装具のスペックの強さなんだよ。」



「サドマーゾって、そんなに厳しい条件なのかしら?てか、普通に適合?いや違和感が何1つ無かったわよ。」


「それは、そうさ。桃香っちはむしろその適合者にマッチしたから拒絶反応が出なかったのさ。」


確かに言われてみればサドマーゾのスーツってメチャクチャ反則に近いくらいのスペック高かった気がするわ。獰猛な植物相手に特に薙ぎ払うかの如くだったし。


「てかよ。サドマーゾの装着者が適合する条件ってなんのよ?」


そんなに厳しい条件をクリアーした私って、かなり凄いんじゃないのかな?てか、私ってまさかの伝説の魔法使いなんじゃない?


「そうだね。まずはサドマーゾの装着者の条件は女だね。」


女ね。まぁザックリしているけどクリアしているわね。


「そして、年齢制限があってだ。30歳からなんだよね。」


なるほど、なるほど~。昨日?いや今日で誕生日が来て30歳になったね私。


「そして、最後は男性と1回も交わった事がないウブな乙女の人が条件なんだよ。それが中々居なくてね。」


………


私は開いた口が塞がらず恐らく鏡を見れば間抜けな年増のオバサンが写り込むだろう。オーケー、オーケー。クールになろう。クールになってから整理しようじゃないか私。


ムスコが着いていなくて……


アダルティーなアラサーで……


処★女ッ!!


何だろう……私の今の頭の中で流れている曲はさ……


うーえを むーいて あーるこーう なみだが こぼれーない よーうに


あれ?涙と鼻水が出てきちゃう。だって女の子だもん!!やかましいわ!

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