カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。

「なるほどね。確かに良い名目にはなるよね。そして都合の悪い貴女達は粛正を名目に戦争を始めたわけ?」


「確かに桃香っちの言う通り。都合の悪い事も魔法政府の腐敗も少なからずあった。だけど実際は違う。」


「……」


「奴等の本当の目的は人間最下層の身分にして自分ら魔人を最上位の身分にした制度なんだよ。確かに俺っち人間側は過去の歴史から魔人を差別し奴隷としてきた歴史がある。しかし魔人には全員が全員ではないけど魔人の血筋は比較的、破壊的や支配欲の思想が強すぎる故に今は隔離してあるんだ。だから、お互いの領地もキッパリと区分けしてあるんだ。」


「つまり危険な猛獣は檻に居れて自分達は安全な生活をするって事ね。そしてお互いに干渉はしない。そんな所かしら?」


「全く、その通りだ桃香っち。だが、魔人サイドにはある悩みの種があった。」


「悩み?」


「人口爆発っていう例え方が分かりやすいかな?戦争前の魔人達の繁殖率が以上なほどに跳ね上がっていてね。恐らくは魔人地域の法律で1人の魔人族の子供を産むと給付金が貰えるのさ。そして2人目の子供を産むと倍の給付金。更に3人目を産むと更に倍と給付金を貰える仕組みになっていてね。だから、俺っち人間サイドと魔人族の゙会議゙で人間サイドと代表で魔族の人口爆発を抑える為に゙一人っ子政策゙を提案したんだが……」


「それを魔人達は飲みこなかった。」


「その通りさ。むしろ魔人達ば我々の種族繁栄に異議を申し立てるとは差別に値する゙ってね。」


「メチャクチャな話じゃないかしら。魔人ってのは。」


「だけど俺っち達からしてみたら、長い歴史の時を掛けて人間、魔人族の共存が完成されてワスア魔法学校も魔族の種族の差別の撤廃の象徴として向かい入れて卒業生も出した。我々、人間が長きの歴史において魔人族の奴隷にした過ちに負い目を感じていた事で何も言い返せなかった。」


「負い目ね……ふぅ。」


何だか色々と大変みたいだが私の住んでいた世界と対して変わらない物が多い気がする。

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