カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。

姿勢を悪くしているのは関節っていうよりか筋肉に着目したインナーマッスル(深層筋肉)をアプローチする事で重力に逆らう姿勢を維持する筋肉である抗重力筋と呼ばれる筋肉をポイント、ポイントで狙うやり方。


「最初と比べてどうですか?」


「さっきより痛くないな。」


持続的に筋肉に刺激を与えているので筋肉が緩んできている証拠。筋肉は性質状、持続的な刺激でも緩むので硬いからと言ってガシガシやるより持続的に軽く刺激を加えても緩む。


私は股関節のインナーマッスルと内ももを左右同じ事をバランス良くアプローチして緩むのを確認したら次は胸の筋肉をアプローチして、腕から手首付近まで裏表と左右やっていき、最後は首や肩をアプローチして終わり。


「じゃあ、すいません。最後にシップ貼りますのでゆっくり起き上がって下さいね。」


「おう、ありがとう。」


「さっきよりも起き上がりやすくなりましたね。」


「言われてみるとそうだな。」


「さっきは痛そうに起き上がってましたからね。」


「確かに……」


まぁ少しでも良くなれば大丈夫かな?無理に刺激を入れ過ぎても良くないのよね。あとはゴウさんにしっかりと生活指導もしなくちゃいけないね。


「とりあえず、今日と明日までは痛みが引く安静にしててくださいね。動きも必要最低限で。」


「お、おう。」


「それにお風呂も温まり過ぎないでシャワーでさっと流すのと、もしかしたら、今は大丈夫ですけど、今日やったばかりだから痛みが強くなるので頭に入れといて下さいね。」


「わ、わかった。」


「もし、どうしても動くときは腰にベルト着けときますので、それを着けて動いてくださいね。」


「了解。ありがとうよ。姉ちゃん。」


私はゴウさんを立ち上がらせて骨盤ベルトを腰より下の骨盤周りに巻いて治療は終了。だいたいダリウスさんとゴウさんの2人で30分ちょいかしら?


「す、凄いですね……」


「カラカラカラカラ。私も感動で涙が……あっ!私目がないんで涙出ないんですけど!カラカラカラカラ。」

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