カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。

通常人間というのは睡眠でしか疲れや体力の回復が出来ない。なので俗に言う質の良い睡眠が求められるが教会としてパラスメントの仕事をしている以上は常に身体の緊張が起こりやすくなる。


精神的な緊張は身体にも現れて筋肉を余計に緊張させてしまう為、身体の回復力より疲れが上回ってしまう事が多い。更にゴウさんの場合はトレーニングもしてストレッチもろくにしていない状態。


そうなれば自然と身体は疲れやすくなりギックリ腰になるのも不思議ではない。


次に私は腰を治療していくが腰は本当に軽めで摩るくらいの強さで治療していく。


「うつ伏せは辛くなってないです?」


「大丈夫だ。」


「腰に関してはあんまりガツガツやっちゃうと痛くなりますので少し摩るくらいで診て背中とか肩とかの周りの筋肉を緩ませますね。」


「わかった。ありがとう。」


腰の筋肉って言うのは大きい筋肉なので言ってしまえば、骨盤から首まで伸びている筋肉が殆ど。背中や肩の筋肉に刺激を与えれば自然と腰の筋肉は遠くからアプローチしても緩む。


なので私は腰は軽く摩る程度。接骨院の手技治療においては軽摩法(けいさつ)って呼んでいる。症状の強すぎる人や治療の前準備として使われるやり方。


腰は本当に軽くで次は背中の筋肉を緩ませていく。背中って言っても狙うのは肩甲骨周りの筋肉。肩甲骨は言ってしまえば筋肉に覆われてるので肩凝りの原因や四十肩や五十肩といった原因になりやすい。


何故かと言うと肩甲骨周りの筋肉は肩甲骨から首、腕、背骨、腰に着く筋肉なので何処か調子が悪くなると筋肉の性質状、お互いに引っ張り合う綱引き状態が起きてしまうのだ。


なので背中周りは背骨に近い筋肉や肩甲骨の上下、内外側にアプローチしていき、次は首や肩を治療。


足回りや背中周りを診たお陰で首や肩に気持ち緩みが出ているのは分かる。更に言えば首の緊張は腕を治療していくと緩みが出やすくなる。


「ゴウさん首や肩は押されて嫌な感じとかはないですか?」


「大丈夫だ。問題ない。」

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