カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。

ありとあらゆるリスクを説明しておかないと取り返しのつかない事も起きる為、自分を守る事のリスク回避を説明しておけば、いざとなれば自分の窮地を脱出できる。


医療というのは常にリスクを考えて患者さんには説明と同意。つまりインフォームド・コンセントが重要になってくるのだ。


一昔前なんかお医者さんの言う事は絶対だって感じだし。今の世の中で、そんな事を言うようなものなら悪いコチコミはすぐに広がって一度その噂やコチコミが定着すると孫の代まで言われ続けるオチ。


だから説明と同意は大事になってくるのよね。私も師匠に説明や同意。立ち振る舞い方を何度も何度も叱られたりしたから、それくらい大事な事なのよね。


私はそう思いながら次はギックリ腰のゴウさんの治療に取り掛かる。アイシングして、ざっと15分ちょっとかな?ちょうど良いかもね。


「ダリウスさん。冷たいの外しますね。冷た過ぎませんでした?」


「ちょうど良かった。大丈夫だ。」


どうやら冷たい過ぎずに済んで良かった。アイシングの場合は最初は冷たいけど、段々と慣れていくものだけど、時間が経っても冷たいとマズイ事になる。


神経の感覚異常や下手すると痛みの引きが悪くなる事もあるから気をつけないといけない。


「じゃあ、ゴウさん。治療するんですけど、身体を押される治療って初めてです?」


「ん?あぁ。初めてだ。」


「取り敢えず、今日は初めてなので、聴きながらで、様子を見て押していくんですけど、腰だけを治療するより身体全体を診た方が筋肉の緩みが出やすいので、気持ち軽めで全体的に見ていきますね。」


「あぁ。よろしく頼む。」


まず、ギックリ腰の治療の仕方としては、腰自体をガツガツとやり過ぎない事。腰が痛いからと言って腰だけをガシガシとやり過ぎると逆に腰が踏ん張れなくなって立てなくなるリスクもある。


狙うのは股関節周りの筋肉と背中の筋肉と前側の筋肉をアプローチしていく。言ってしまえばギックリ腰ってその辺の筋肉が踏ん張れなくて腰で庇って腰が疲れて動けなくなると言う現象だ。

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