カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。
私はまさか、痴漢じゃないよな?って思い視線を感じる方向へ後ろを振り向くと何か冷たく凍り付くような瞳。その人は金髪のロン毛に毛先が逆毛立っているウルフの髪型。
そして口には牙のように伸びた八重歯が見えて両手はモフモフの腕に指先には鋭い爪。まるでそれは百獣の王であるライオンのような青年に私はただひたすら見つめる。
そして、彼はゆっくりと私に向かって歩み寄り近付いてくる。敵?だとしたら何だか私の勘がこう言ってる。【この人は強い】って頭の中でそう言っている。
だが、彼はそのまま私と目が合ったまま素通りする形で立ち去って行くが、その去り際に落ち着いた口調で一言。
「ミラージュ・ファミリーは必ず俺が全員倒す。」
「え?待って!」
私が振り向いた時には彼の姿は居なかった。いったい誰なんだろう?『ミラージュ・ファミリーは必ず俺が全員倒す。』っていう言葉の中に一種の哀しみと内に秘めた怒りを感じとる私であった。
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