カルテNo.2 三十路女。接骨院を開くまでの道のり。

それから私は変身を解除して教会の武装ガチムチ集団であるパラスメントの2人に駆け寄る。


「大丈夫ですか?動けそうですか?」


「こ、腰が痛ぇ……」


「私に肩に掴まって下さい。キャビン。貴女は足を挫いた人を運んで。」


「はい。桃香様。立ち上がれそうですか?」


「お、おう。すまねぇガイコツの姉ちゃん。」


「貴方は病院の道案内をお願いしてくれる?」


「おう!こっちだ姉ちゃん達。」


私は唯一、怪我してないガチムチのパラスメントの人に病院へ道案内をお願いしてガチムチの人を担ぎながら病院へと向かう。


「病院へ着いたぜ。姉ちゃん達。」


「ありがとう。助かるわ。」


「ありがとうございます。」


私とキャビンは無傷のガチムチのパラスメントにお礼を言ってから病院の中へ入ると、そこには待合室の椅子に座りきれないほどの患者でぎゅうぎゅうに埋もれていて、病院内のドクターやナースさん達も忙しなく動いているのが目で見て分かる。


院内は慌ただしく先程のミラージュ・ファミリーのドレイカによる街の襲撃で逃げ遅れた人や、建物の倒壊でケガした人がだいたいだと予想が出来る。


「すいません!ウチの子が避難途中、一緒に逃げていたら急に右腕が動かなくなってしまって!」


「申し訳ありません!順番にお呼びしますので、少々お待ちください!」


「おかあさぁぁああん!おててが痛いぃい!」


私は子供の泣く声に目を向けると子供は恐らく4歳から6歳の女の子で確かに見た感じは右腕が動かなさそう。4歳から6歳って言えばだいたい、幼稚園か保育園あたりの年齢。


それに話を聞く限りは『避難途中に一緒に逃げている時に右腕が動かなくなった』って話だ。それを考えると母親は早く逃げる為に女の子の右腕を引っ張ってしまったと考えられる。

「ちょっと、この人の肩を貸してもらえる?」


「お、おぉ。ってか、どこ行くんだ?姉ちゃん。」


「ちょっと、あの女の子を診てくるわ。」


「え?」


私はガチムチ兄貴を無傷なパラスメントの人に交代して小さい女の子とその母親の元へ行き声をかける。

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