異世界で接骨院を開業。副業は魔法淑女

藤田吾郎

カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。


私の名前は日野 桃香と言います。たった今、長年の間、師匠の元で働いていた接骨院を退職し開業に向けて胸を踊らせながら帰宅中。


はぁ……今日で最後かぁ。長かったなぁ。私が働き始めてから8年近く。最初はドジばかりで患者さんに粗相をしては師匠を困らせてばかりだったけど、そんな私を時には厳しく時には褒めてくれたお陰で1人の社会人として、1人の治療家として、1人の人間として成長させてもらったわ。


師匠がよく言っていた事は接骨院業務においては自分目線にならずに患者さん目線で考えて発言して行動する事。それが結果に繋がる事だって教えてくれた。


それを活かして私も開業して、しっかりと師匠に顔向け出来るように頑張らなくちゃ!


そんにしても今日で私も30歳かぁ……


良い歳して男性の経験がなくて、男性とお付き合いした事もない。更に言えば手も握った事もないのよね。


職場では若い男性スタッフの人は居たけど、イマイチ1人の男性と思ってなかったし、職場でも頼れる姉御としてだったし、私に関しても結構なくらいに男性の免疫がないのよね……


幼くしてお父さんを無くして……


お母さんが女手一つで私と妹を育ててくれて……


妹は優しくて頼り甲斐のある旦那さんと結婚して去年には子供も産んですっかり主婦の板がついてる。それに今までの環境はお母さんに『女は守られるばかりではなく逞しく生きなさいっ!』と言われ柔道に空手と護身術を習わされた。


小学、中学、高校とエレベーター式の私立の女子校で高校を卒業して接骨院の専門学校で資格を取ってから今は一人暮らし。


今の給料なら一人暮らしするには充分だし将来の為に貯金もしているけど、貯金の使い道は私の長年の夢であった自分の接骨院を開業する事に使う事にする。


でも、それでも趣味なし、男なし、物欲なしの生活だったから当面は大丈夫そうね。


今日は私の誕生日と退職祝いだし、コンビニでケーキと適当にフライドチキンやらフライドポテトと食事はバランス良く野菜サラダも買って帰ろう。


そしてコンビニに入ると始めに雑誌が並んでいるが、俺はジュニアアイドルの雑誌に目を向けるとまさかのショタ特集。


誕生日だし良いよね?ちなみに私は学ランが大が着くほど好きだっ!よし買おっと。


制服の男の子が映ったジュニアアイドル雑誌を手に取り野菜サラダとショートケーキを取りレジへ。そして、フライドチキンを5個とフライドポテトを2つを頼む。


そして、ムフフと気味の悪い笑みを浮かべる私にレジの店員さんに制服の男の子が映ったショタ雑誌をだす。レジの店員さんは若干だけ引いてるが気にしない。


私の理念は…『変態は正義』よ。

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