第14話 長年の想い…-ずっと好きだったんだよ…大翔-


「今は違う。俺はもう誰も目の前で人を死なせたくない。失いたくないんだ。優菜を……俺は、この世で1番、優菜を無くしたくない。もう誰も死なせない。俺が生きている限り……優菜を危険な目に遇わせたくない。優梨も死んで優菜まで死んだら俺は、俺はもう生きていけない……好きだよ。優菜……」


「えっ?本当に、本当なの?大翔……」


「本当だ優菜。決して優梨の変わりじゃない……俺は1人の女の子として優菜が好きだ……」


優菜はまた涙を流した……

さっきとは違う反対の嬉し涙……


「大翔……」


「なんだ?」


「大翔!大好き!!」


優菜は俺に抱き着いて強く抱き締めた。俺も、それに答える様に強く苦しくなるくらいに強く抱き締めた。


「大翔……」


「なんだ?」


「さっきは、ごめんね……大翔がそう言う性格だって知ってたのに……私、意地悪だよね……?」


「いや、俺も悪かったよ……」


「そんな事ないよ。大翔だって、ずっと悲しくて辛くて泣きたいのに、周りを心配かけたくないから無茶してたのに……私……」


「だから、気にするなって。優菜。」


「うん。わかった……」


やっぱり、幼馴染みだと性格や行動が全部バレバレなんだろうな……

どうしても敵わないな。幼馴染みって言うのはさ。


「優菜……」


「何?大翔……」


「目を閉じて……」


「うん……わかった。」


優菜は、俺に言われた通り目を閉じて……


俺はそっと一言だけ『好きだよ……』


俺は優菜の唇に……


そっと自分の唇を重ねた……



「えっ?!ひ、大翔……えっ?!コレって?!」


優菜が目を開けると顔が茹でタコの様に真っ赤になってパニックってる。


「なんだ?知らないのか?これはキ……」


「うにゃああぁぁ!!これ以上は言わなくて良いから!恥ずかしいから!!分かってるから!」


俺がフザケ半分で、からかってると夜空に1つの花火が咲いた。


花火は一瞬で切なく散っていく。

まるで、それは恋花火……


恋花火は2人を照らす様に……


大切な人を思う気持ちは一時も会えない程に会いたくなる。

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