第14話 長年の想い…-ずっと好きだったんだよ…大翔-

どうやらネズミーランドのパレードが始まったようだな。今の時期は確か派手なパレードじゃなくて花火だけど今はそれだけで良い。


「ねぇ大翔。」


「なんだ?」


「私ね……言わなくちゃいけない事があるの。」


優菜が言いたい事っなんだろ?凄く気になるな。すると優菜は語り始める。


「実はね私ずっと大翔の好きだったんだよ……」


えっ?!マジで?!全然気が付かなかったわ……


「私と大翔とお姉ちゃんと3人で昔からずっと一緒にいたのにね、大翔は全然気付いてくれなくてさ……」


全く……俺って本当に鈍いんだな。バカ。


「大翔は昔からドジで間抜けな私をいつも優しく見守ってくれてたね。」


優菜の奴は昔からなんていうか放っておけなかったからな……


「でも、大翔は私じゃなくて他の女の子を選んだよね。お姉ちゃんを大翔は選んだ。お姉ちゃんも私と一緒で大翔の事が好きだった……」


「……」


「私、お姉ちゃんだったら大翔の事を諦められた。だって、お姉ちゃん見た目は私と全然一緒なのに私と違って、落ち着いてて、明るい時もあって、弱音も愚痴も言わない、気さくに誰とでも話せるし、料理や裁縫も上手で……私なんか、お姉ちゃんみたいに落ち着いているわけでもないし、面倒くさがり…ちょっと不器用でさ。だから私は大翔とお姉ちゃんの仲を素直に応援できた。だって、お似合いのカップルだもん。」


優菜……お前は俺をそんな風に思ってたのか。

お前はそんな自分を卑下しなくても良いから。料理や裁縫は俺が教えてやるからさ……



「でも、お姉ちゃんは死んじゃった……殺されちゃった……大翔も重傷で10日間は目を覚まさなかった。お姉ちゃんが死んで大翔も死んでしまったらって考えたら涙が出てきた……大翔が目を覚ますまで、ずっと付き添ってた。」


俺が全部悪いのに。心配かけてゴメンな、優菜。



「私、本当は知っているんだよ?大翔は病院の屋上で……お姉ちゃんの名前を叫びながら泣いていたのをね。私は凄く辛かった……好きな人が辛い姿を見るのが凄く辛かった…ねぇ、出来るなら私……大翔の傍にいたい……大翔が辛い時に優しく包み込む様に抱き締めたい……大翔の涙を拭き取って上げたい……」


優菜……俺は優菜をまた抱き締めた。


「ゴメン。優菜。」

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