第12話 愛と憎の堕天使-何デ?私ヲ受ケ止メテクレナイノ?-

「絶対に好きになっちゃイケナイ人を好きになって悩んでるみたいだったな。」


「好きになっちゃイケナイ人を好きになったねぇ~」


俺はその言葉に半分どうでも良さそうに繰り返し言う。


「どんな人か教えてくれたんですか?祐司君。」


「あんまり、詳しくは教えてくれなかったけどさ。同じ学校の人で、いつも近くにいるのに、その人の存在が遠く感じる。本当は好きになっちゃイケナイなのに、忘れようとしても忘れられない。その人を思うと凄く苦しくなる。その人が自分以外の娘が話すと嫉妬しちゃう。その人を思えばおもうほど切ない距離を感じる。ってさ。」


「これって……」


「教師と生徒のピュアな純愛ですね大翔君に祐司君。俺はまでトキメキそうです……」


本当にあるもんんだな。先生の事を本気に好きになる事がな。


「名前はなんて名前だ?祐司。」


「え~っと……あっ大翔のクラスだね。高等部の2年D組の佐々木 美沙子(ささき みさこ)って娘だね」


祐司はメモ用紙を見ながら言い、俺は名前と顔が載ってるクラス名簿を見て佐々木美沙子を探す。


「あった……佐々木美沙子。この娘か?祐司」


「どれどれ、見せて。」


俺はクラス名簿から佐々木美沙子を見付けて祐司に見せると祐司は佐々木美沙子を確認した後に続けて言った。


「あぁ、この娘だね。」


「大翔君。俺にも見せてもらいます?」


クラス名簿を響也にも見せてから俺が思ったのは佐々木美沙子っていう娘は、いかにも大人しい娘って感じったな。


黒髪に透きとおる様な白い肌で目も小動物の様にパッチリしてて、男心をくすぐる美少女だ。


「こんな大人しいそうな娘がな~……」


俺は少し感心していると響也が口を挟んだ。


「普段、大人しい女の子ほど、いざとなった時は普段とは全く正反対なくらいに凄く大胆になりますよ。大翔君。」


「お~、そうか。」


その時は気付かなかったが、今この会話を佐々木美沙子が聞いていた事に俺と祐司と響也は誰1人として気付いていなかった。


佐々木は俺達の会話を聞いた後に静かに呟いた。

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