第7話 食人の堕天使-食人ノ衝動-

「殺すのは俺の方だ。」


ピリピリと張りつめる糸の様な雰囲気の中に少し遅れて祐司も駆け付け、バイクから降りてきて俺の元へと歩み出す。


「やっと見付けたぞ……」


「オ前ハ、断罪ノ使徒カ?」


「そうだけど?」


「オ前モ殺ス……」


「お前が俺を殺すンじゃない。俺がお前を殺すんだよ。」


あの優しい祐司が俺の目の前で俺でも今まで見たことない位に殺意に満ちているのが目に見えて分かる。


「グフフ……2人マトメテ殺ス!」


俺はべリアルに向かって歩きながら、両手にグローブを嵌め、両手を腹部にあて、バックルを出現させる。しかし祐司が、ちょっと待てと言わんばかりに後ろから、俺の肩に手を置く。


「大翔。今回は俺1人で戦わせてくれないか?」


「何でだ?祐司。」


「コイツは俺の職場の上司と先輩を殺した張本人なんだよ。頼む。」


俺は後ろを振り返り言う。


「悪いがそれは出来ない。」


「え?」


俺は続けてポツリと話し出す。


「アイツが優梨を殺した張本人だから……だから祐司1人で戦わせる事が出来ない。けど……」


「けど?」


「祐司が俺と一緒に戦ってくれるなら良いぜ?」


「フッ、勿論だよ。」


祐司もアパスルバックルを腹部から出現させる。


「早クシナイト、今スグニ殺スヨ?早ク殺シテ、オ前ラ食イタインダヨ…」


べリアルの言葉を聞き、俺は祐司と目を合わす。


「聞いたか?祐司。」


「勿論、聞いたよ大翔。」


「誰が、いったい、どうやって殺すんだろうな祐司?」


「さあ?自分が殺される事に気付いてないんじゃね?」


俺達は小馬鹿にしたような口調で嘲笑う。


「「「クククク…フッハハハー!!!」」」


「何ガ可笑シイ、オ前ラ?」


俺達はベリアルに言ってやった。


「「俺達を誰だと思ってやがる!!」」


「魔物を葬り去る錬金術師ファウストと…」


「断罪の炎で悪を焼き尽くす使徒アパスルで…」


「「俺達に倒せねぇ敵はいねぇよ!!!」」


俺はファウストフォンを開き、CLEARボタンを押し、さらにENTERボタンを押すとダビデの機械音が鳴る。


【Standby OK Master】


「変身!」


【Wake Up Change】

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