第3話 石の堕天使-人間コソ愚カナ存在-
カーテン越しに朝日が顔に光が射し込み朝日の眩しさに重い瞼を開くとベットから起き上がり時計を見た。時刻は8時30分を指していた。
「もう朝か……今日も頑張って店の手伝いをしますか……」
ベットから降りて立ち上がり背筋を大きく欠伸をする。それと同時に携帯電話の状態でいたダビデも手と足を出し俺に歩み出した。
「おはようございます。マスター。」
「おう。おはようダビデ。」
ダビデの挨拶に答え寝巻きの状態から仕事用の服に着替え始めた。
「マスター。今日も御仕事ですか?」
「あぁ。まぁ結構レストランの仕事は楽しいから良いけど。」
「そうですか。マスター。私から少し言っておきたい事があります。」
「ん?なんだ?」
「出来るだけですが、自分からマスターが堕天使べリアルと戦うファウストだって事を言わない様にしてもらえますか?」
「言うも何もダビデ。俺は自分から俺が化け物と戦うヒーローだって言うつもりはない。もし周りの人達が俺の正体が知られれば、多分べリアル達も黙っちゃいない。俺の事で周りの人達の危険に晒したくないし、俺の事で巻き込みたくないんだ……」
それが本心。俺は堕天使べリアルを倒せるのは1人しかいないと思っている。
堕天使べリアルから人々を守り、守った人々から称えられるつもりは毛頭ない。
確かに堕天使べリアルから人々を守りたいのはある。
自分の目の前で大事な人を殺されるのは、とっても辛いことだから自分と同じ目に遇わさせたくないのもある。
だが、何よりもべリアルから俺にとって1番大事な人を殺された憎しみがある。
復讐という正義でべリアルを1つ残らず全部殺すという想いが1番大きい。
「そうですか。マスター。それがマスターの優しさなんですね。」
「あぁ……特に優菜やオジサン、オバサンは1番巻き込みたくない……」
それは最も身近にいる存在であり、もう1つの家族を絶対に巻き込みたくないという気持ちだ。
「おっと、そろそろ下に行かないとな。んじゃ行ってくるなダビデ。」
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