第5話

ん?んー


今は七時か。


今日からゴールデンウィークかぁ。


と言ってもやることがないんだよな。


昨日先輩に誘われたけど........。


まぁいいか。関係ないし。


行く気は…無い。


朝ごはんでも食べて課題でもするか。


かなり出されているし。







ふぅ。


今の時間は十二時か。


結構集中して、勉強していたみたいだ。


結構課題も終わってきた。


若干外が曇っている。


天気予報で雨が降るとか言っていたっけ。


........。先輩行くのかな。


いや関係ない、関係ない。


期待して行っても裏切られるかもしれないし。


それよりお昼はどうしようかな。







今の時間は一時半先輩との約束の時間は過ぎていた。


外では雨が降り始めていた。


来ていたとしても先輩さすがに帰ったよな。


うん。関係ない。大丈夫だ。


自分に言い聞かせる。心のもやを払うように。






今の時間は二時半。


.........................。






今の時間は三時半。


帰った…よな。


そもそも来ていないかもしれない。


いや、きっとそうだ。


でも…






今の時間は四時半。


あれから、心のもやが膨れ上がっていた。


なんなんだよ。


もう、僕は裏切られたくないんだ。そうだろ。


あんなこと二度となくていい。いや本当は経験しなくていいことだ。


でも、





でもだとしたら僕は........。僕が今やっている行為は


...............くそ。


馬鹿か。




なんて馬鹿なんだ。僕は。



僕は急いで駅に行く。


心のもやの正体が分かった。


こんな簡単なことにきずかないなんて。


先輩はこう言った


『待っているから』


麗華先輩は三回も言った。


それは僕を信じているから。


きっと来ると信じているからじゃないか。


今の麗華先輩は立場が逆だけど、昔の僕のように思える。


そしてそんな先輩を裏切ろうとしているのは僕。


そう。一華あいつと同じことをしようとしてる。


一華あいつは僕に無駄な期待だけさせて、そもそも僕が来る事を望んでいなかった。


でも、麗華先輩は違う........と思う。


中学校の時、無邪気にもあいつと一緒にいたいと思う気持ちがあり、登下校など一緒にしたいという気持ちがあった。


行動はしなかったが。


麗華先輩はそれを実践していた。


す、好きじゃないとできないことだと思う。

好きじゃないと、そもそもやろうとすら思わないんじゃないか。


しかし、お金のためならするんではないだろうか


そもそも、もういないんじゃないだろうか


やっぱり来ていないんじゃないだろうか。


でも、裏切られたくないから裏切る、のはあいつ以下の行為じゃないか。



もし来ていたのなら謝ろう。誠心誠意。


僕は駅まで走り続け駅が見えてきた。


あ、あれは麗華先輩。


全力で走り


「麗華先輩。すいませんでした!」


「裕也君…。」


「先輩のことを全く信じられず、裏切られるだろうと勝手に思いこんで先輩を裏ぎるようなことして。

実は今でも先輩のことを疑っているほどです。」


「........」


「ほんっとうにごめんなさい。」


「裕也君、私待ったよ。来ると思って。」


「はい…。」


「だから、私を待たせた裕也君にはこれから私とデートしてもらいます」


「はい........。って。えーーーーーーーーーー!それだけですか」


「…。あと裕也君のことについても」


「…。はい。それより先輩、僕のことについては今日でもいいんですが、これからデートするにしてもぼくびしょびしょですし、先輩もそうですし。買い物は明日にしませんか?」


急いで外に出たから傘を忘れたようだ。


「じゃあ裕也君の家に行こう」


「はい。ってそれはだめです。」


「こんなに待たせてびしょびしょにしたのに」


「っう。分かりました」


そして僕の家に向かうこととなりましたとさ。






















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