先輩に振られたから、女性不信になったけど。

第3話

教室に行き、少し荒い息を整える。

さっきのことは忘れよう。自分のためだ。

それより朝の小テストの勉強をしなくちゃ。

それから黙々と勉強をし、気が付くと結構な人が教室に来ていた。

「おはよう裕也」

「ああ、おはよう夏樹」

朝からさわやかな奴だな。

「なんだ？少し暗い顔をしてるな。何かあったのか？」

「.....いや、気にするほどでもないことだから大丈夫だよ」

そんなに顔に出ていただろうか。

それとも夏樹の勘が鋭いのか。

「なら、いいんだけど。じゃあ、今日の放課後は遊びに行こうな」

「ああ、いいよ」

遊べる男友達がいるっていいな。

「おーい。席につけ。小テストを始めるぞ」

今日も一日頑張るか。

それから、授業を受け昼ご飯を食べ放課後になった。

「夏樹ー。今日は何処に遊びに行く？」

「特に決めてなかったなー。」

「なんだよそれ」

こんなたわいもない事を話しながら校門に向かう。

「あ、おーい裕也君」

誰かが僕の名前を呼んだ気がするけどいいか。関係ないし。

例え手を振ってこちらを見ているからって僕のことだなんて勘違いするのは、自意識過剰だと思う。

何より僕は女性が苦手だ。

昨日のあの時から。

それより

「ゲームセンターとかどう？」

「いいね、…って裕也。お前呼ばれてるぞ？それもあの麗華（れいか）先輩に」

「あの人、麗華っていうのか」

「おいおい、マジか。裕也」

「え？なに」

「あの先輩は、この学校で一番男子に人気な先輩だぞ。とてもきれいで、頭がよく他の人を寄せ付けない雰囲気を持っている。

まぁ、とにかくすごい先輩なんだよ」

「へぇ。そうなんだ。」

他の人を寄せ付けない？

........まぁいっか。

「それより、はやくゲームセンター行こうよ」

「お、おい。いいのか？」

「何が？」

「麗華先輩のことに決まってるだろ」

「いいよ。別に。知らない人だし」

「........裕也がそういうなら。いいの....か？」

「いいんだよ」

学校で一番可愛いのなら、なぜ僕なんかをすきになる？

怪しすぎるし、怖い。

騙されるのがおちだ。

早くゲームセンターに行こう。

「ちょ、ちょっと待ってください」

あー格ゲーで新しいキャラ追加されてたっけ。僕が受験勉強しているうちに。

早くやりたいな。

「ほんとに待ってください」

「お、おい裕也」

夏樹に強引に止められ、止まる。

「どうしたんだよ」

「何でもない」

そうだ。本当に何でもない。

「それより、早くいこうよ」

「........。分かった」

「絶対にあきらめませんから」

そんな声が聞こえる。

でも、僕はあなたを疑うことしかできません。