別の季節に咲く花

うどんさん

プロローグ

野海くんへ


野海くんに出会ってから七年。出会った時のことなんて覚えてないけど、いつの間にか仲良くなってたね。毎日一緒にいた気がするけど、私には彼氏がいて、それで困らせたこともあったね。それでもいつも優しくて、なんか頼っちゃってたね。

野海くんに会わなくなってから三年。連絡を取ることも少なくなって、手紙なんて初めてだけど、勇気を振り絞って書いてみたよ。また会えるかな。

住所が変わってないことを祈って。


ちさき



驚いた。

ちさきは大学のゼミの同期だ。一年の間は殆ど喋ることもなかったが、二年の頃から徐々に仲良くなり、三、四年の学内ではほとんど一緒だった。くだらない話も、嬉しかった話も、悲しかった話も結構したし、されたと思う。

バイトばっかで単位がいつも危ういこと。すぐに人と仲良くなれること。一人称が「ちさき」だけど、もはや「ちぁい」になってること。その全てが、走馬灯のように思い出していく。





僕は彼女が嫌いだった。

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別の季節に咲く花 うどんさん @udonsan

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