第3話 飴玉

足音の澄みドレミ交差点通り魔が行くよ通り魔が行くよ


どや顔で明ける三六五日虚夢きょむ抱え無知を知る


上げ底がからんからんと生きている螺旋電車網つたいながら


言の葉が喉の奥で迷子の子猫さん泣くこともできなくて


隙間からわずらわしいガラス声日陰を探すからのブランコ


狭小に煙草の煙引く君の骨まで愛おしバックドロップ


スクリーンを徘徊する蜘蛛 昨日見た飛行機雲の散るに似る


教室は焼け野原燃え逝くパレットの臭い染み付いてなお往く


あげると渡された飴玉手から落ちて君にバレる恋の対岸


桜咲きひまわりまわり紅葉落ち雪滑りの万華鏡潜む

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