月日は百代の過客にして

『 月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人なり』

「奥の細道」松尾芭蕉の一節がしみじみと沁みる今日この頃です。


 まあ、人生色々あるわけで、持病についてもジワジワと悪くなったりして、それはある程度、仕方ないのですけどね。


 身近な人を送った方々の中には死が怖くなくなったと言われる人も多いようですが、わたしは反対に怖くなりました。

 死が、というよりも、それに伴う痛み苦しみが怖くて仕方ない。


 年月が過ぎれば人も物も壊れます。

 それは当たり前のことで。

 病を得たから、それが身近なものになり、

 死ぬ瞬間をこの目にしたから、その重みを思い知ったんでしょうね。


 若い頃なんて、それこそ、死はひたすら抽象的なものでしかなくて。

 また突き詰める必要も無かったんですね。

 言葉として知っていても。


 この降り続く雨のせいでしょうか……。

 今日のわたしはいつにも増して弱気です。


「でも、こんな日があってもいいでしょう?」


 そんな風に言ったら、あなたは何て答えるでしょうか。

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