オジサンがレトロゲームを懐かしむ

中西ユウ

ワギャンランド(FC)

 今の若い方はご存じないかもしれませんが、ボス戦がミニゲームでの対決というゲームソフトがかつて存在しました。平成が始まって間もない頃に発売された「ワギャンランド」というゲームです。テレビ朝日の「しくじり先生」という番組において、高橋名人が登場した際にもちょろっと画面に映ったのですが、当時ではその独特のシステムがプレイヤーに受けた──かくいうこの僕もその1人です。

 このゲームにおけるボスは、最終ボス・ドクターデビルを含めて全9体──対決するミニゲームは、マッシュ、ガンク、キューラ、マジョーラ、アリゲの5体がしりとり、バウテン、クロコ、ゲッハーの3体がシンケイスイジャク、そしてドクターデビルがシンケイスイジャクとしりとりの両方となっています。

 しりとりについていえば、おそらくやり込まれた方のほうが詳しいのでしょう。そう──、裏読みです。僕は額面通りの攻略したしなかった、というよりできなかった人間なので、「めまい」や「いろえんぴつ」、「やまねこ」など、どれも知らないものばかりでした。変に知っていたとして、相手に裏読みで返されたときのリスクを考えれば、ちゃんとクリアポイントをとるつもりで合わせて、それで相手がとちってくれればよし、該当パネルがなくて(本当は裏読みであるかもしれませんが見つけられず)負けならそれも仕方がないというスタンスのほうが自分には合っていると思っていたからです。お陰で比較的パーフェクトを取ることが難しいアリゲでも何回かそれを達成できましたし、ドクターデビルに負けたこともおそらく1~2回あるかないかといったところです。

 個人的にはもう1つのシンケイスイジャクのほうが苦手でしたね。なにせ当時6歳の僕には「法則」という存在に気づける頭の良さなどなかったものですから、出たパネルをメモしておくという原始的な手法に終始していた記憶があります。まぁ、ボスたちも「ふーむ なるほど……」「チェックじゃ! おぼえたぞ!」と言っていたくらいですから、それについては許容範囲だと認めていただきたいなぁなんて思っています。そして、慣れてくると当然パターンが見えてくるらしく……僕自身今でも完璧に把握しているわけではありませんが、基本的にこのゲームにおけるシンケイスイジャクの法則は2つあって、斜め、点対称がそれにあたると思います。バウテン、クロコは前者の斜めパターンで勝てることが多いですし、ゲッハー、ドクターデビルはほぼ後者の点対称パターンの配置の印象が強いです。マニアックな方なら全何パターンあるかも当然ご存じなのでしょう……僕は知りません。

 30年経過した今もこうして思い出すということは、自身の記憶として相当深いものだと認識しているのだなぁとしみじみ感じます。「ゲームセンターCX」で有野さんがプレイしていたのを見て懐かしがっていたオジサンの、過去を振り返った今日この頃でした。

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