記念日

@kalafulu

 今日で彼女と付き合い始めて1年目の記念日、僕はアパートでささやかなお祝いをするために彼女を待っていた。外に食べに行こうとも考えたのだが、彼女が嫌がったのと、二人ともバイトなりサークルなりの予定があり、このような形になった。

 しかし、サークルが思いのほか早く終わったので、アパートに帰ってきた僕は料理のでも作ろうと考えた。料理は得意だ。

 彼女が好きなイタリアンを作りながら邪なことを考える。「今日、彼女とできるのだろうか。」恥ずかしながら、僕も男だ。そういうことは考えてしまう。

 僕はまだ童貞だった。一度、彼女の誕生日に「男女のあれこれ」をしようとも考えた。しかし、二人とも生まれたままの姿になって、いざ本番となって彼女と一つになろうとしたとき彼女が痛がった。

そこからどうすることもできず、そのまま「お開き」になってしまった。

 ボコボコと鍋から泡が吹きこぼれる音が聞こえて現実に戻る。火を弱め、味見をする。

 あとは彼女が来てから。そう思い、彼女を来るのを待つ。料理もお酒も一応、「あれこれ」用の道具もある。

 今日は最高の記念日にするつもりだ。

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