夏の夜
遠くで花火の打ち上がる音がする。でも今の自分の状況で花火を見られる訳もないから、花火の音をシャットアウトするために窓を閉じて、またパソコンに向かう。この資料だけじゃなくてあと5つは終わらせないと今日は家に帰れない。もう定時を1時間程過ぎていて、社内には自分1人しか残っていない。もし今誰か来たらどう思うだろう?「隠れて見ようかな?」そんな幼稚な独り言を思わず呟く。怒られるだけ、と即座に仕事を再開するがタイミングよく足音が聞こえてきて、思わず身を隠してしまう。聴こえた声は友達の声だった。鈴虫のような彼女の声に思わず泣きそうになったが、我慢して笑いかける。彼女が窓を開けた。遠くで花火の打ち上がる音がする。この夏の夜が楽しいものになる気がした。
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