第4話教祖
教祖の家周辺を先に散策しといて良かったと思った。だが、途中で逃げると言う選択肢はほぼ絶たれたと言ってもいいだろう。しかしなぜか早く教祖と会ってみたいと思っている自分がいることも確かだ。もしかしたら、出会う前から既に洗脳されていると言うこともあるのか?と思いながらその家の玄関を開けた。
玄関だけ見ると、ごく普通の民家のような感じだが、靴は一足しかない。その靴の淵にはドでかく「キョウソ」と書いてあった。この感じだとこの宗教には、大人だけではなく、子供の信者もいると言うことなのか?それとも、親が信者だからついてくるということか?どちらにしろ、感じで書いていないと言うことは、子供が読めるようにだろう。
さっきから、何度も「ごめんくださーい」と言っているのに全く反応がない。とりあえず、中に入ってみようと思い足を踏み入れると。
「ごめんごめん。さっきから聞こえてたんだけど、ちょっとお腹が痛くてね。」
顔には無精ひげが生えていて、服装は寝巻きのようなニット生地状のものだ、この感じだと、四十代前半という所だろう。何も感じない、何のオーラもないこの人が教祖だと思えなかったが、一様聞いてみた。
「あなたがこの前勧誘してきた宗教の教祖ですか?」
「いかにも。わたしが教祖の沖田周です。今日は見学に来たんだよね?」
「はい、すごく熱烈な勧誘を受けたのでどんな人が教祖なのか知りたくなったので来てしまいました。」
「その都度はうちの信者が悪かったね。お詫びに今日は特別にどんな質問でも答えてあげよう。」
何個質問してもいいのだろうか?だがここは信者が途中で来てしまっては困るので、単刀直入に聞く方がいいか・・・
「では、お言葉に甘えて。この前の勧誘してきた人ですが、目が座っていて何かに取り憑かれているような感じだったのですが、あれは教祖さんが洗脳か何かをしたんですか?」
「そうくるか。」
教祖は少し苦笑いをしたかと思うと急に顔が変わり言った。
「確かにあれは洗脳の一種だ。だが、それは私が強制的に洗脳したのではなく彼らが求めて来たからやったのだよ。私はもともと脳科学者でね。最初は実験台になってもらった人にしたんだけど効果覿面でね。その人が回りに広めてしまって気づいたら宗教になっていたんだよ。」
嘘を言っている感じはないが、どこか信じられない。あと、どんなことをして洗脳したのだろう?まずはそれからだな。
「どうやって洗脳したんですか?」
教祖沖田周はにやけながら言った。
「後頭部に一ミリの穴を開けるんだよ。」
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